セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-NET

タイトル 内P-331:

当院における直腸神経内分泌腫瘍に対する内視鏡治療の検討

演者 泉 大輔(島根県立中央病院・消化器科)
共同演者 中瀬 真実(島根県立中央病院・消化器科), 上野 さや香(島根県立中央病院・消化器科), 福田 聡司(島根県立中央病院・消化器科), 三上 博信(島根県立中央病院・消化器科), 沖本 英子(島根県立中央病院・消化器科), 矢崎 友隆(島根県立中央病院・消化器科), 園山 隆之(島根県立中央病院・消化器科), 伊藤 聡子(島根県立中央病院・消化器科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院・内視鏡科), 藤代 浩史(島根県立中央病院・内視鏡科), 高下 成明(島根県立中央病院・消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院・消化器科)
抄録 【目的】近年大腸内視鏡検査の普及及び機器の進歩により, 内視鏡治療の適応とされる直腸Neuroendocrine tumor(以後NET)が増加している.内視鏡治療としてはEndoscopic mucosal resection(以後EMR), Endoscopic submucosal resection with ligation device(以後ESMR-L)及びEndoscopic subumucosal dissection(以後ESD)等が行われているがいまだ標準的な治療は確立されていない.今回我々は内視鏡的に切除した直腸NETの治療成績を振り返り, 各治療法の有用性, 妥当性を検討した.【方法】2003年9月から2013年3月までに当院で内視鏡治療を行った直腸NET15症例を対象とした.病変はRb12例, Ra2例, Rs1例であった.内視鏡治療の内訳はEMR3例, ESML-R6例, ESD6例であり, 1.治療時間, 2.腫瘍径, 3.一括治癒切除率, 4.脈管侵襲陽性率,5.合併症の有無, 6.遺残再発率について其々検討した.【成績】病変はすべて表面平滑な隆起性病変であり, 切除後の病理ではNET(G-1)の診断であった.治療平均時間はEMR:ESMR-L:ESD=12.3:21.7:65(分)であった.平均腫瘍長径はEMR:ESMR-L:ESD=3.0:4.1:8.0(mm)であった.一括治癒切除率はEMR:ESMR-L:ESD=33%(1/3):100%(6/6):83%(5/6)であった.脈管侵襲陽性率はEMR:ESMR-L:ESD=0%(0/3):17%(1/6):0%(0/6)であった.いずれの症例も合併症は認めなかった.すべて追加治療は行わず経過観察中であるが遺残・転移再発は認めていない.【結論】EMRを施行した症例はESMR-L/ESDを施行した症例に比べて高率に一括切除率が悪く, 標準治療には適さないと考えられた.ESD/ESMR-Lは治療成績に大きな違いは認められないがESMR-Lの方が治療時間は短い傾向にあった.上記成績を踏まえ当院では現在8mm以上の病変及び正面視が困難な病変に対してはESD, それ以外はESMR-Lでの治療方針としているが今後の症例の蓄積が望まれる.
索引用語 NET, 直腸