セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-炎症

タイトル 内P-338:

Clostridium difficile感染症例の検討

演者 奥村 直己(近畿大堺病院・消化器内科)
共同演者 工藤 正俊(近畿大・消化器内科), 辻 直子(近畿大堺病院・消化器内科), 高場 雄久(近畿大堺病院・消化器内科), 松本 望(近畿大堺病院・消化器内科), 谷池 聡子(近畿大堺病院・消化器内科), 河野 匡志(近畿大堺病院・消化器内科), 丸山 康典(近畿大堺病院・消化器内科), 山田 哲(近畿大堺病院・消化器内科), 森村 正嗣(近畿大堺病院・消化器内科), 米田 円(近畿大堺病院・消化器内科), 梅原 康湖(近畿大堺病院・消化器内科), 冨田 崇文(近畿大堺病院・消化器内科)
抄録 【目的】Clostridium difficile(以下CD)は近年我が国においても重要な院内感染の病原微生物として認識されてきている.CD感染に対して適切な対策を講じるため当院における感染症例の検討を行った.【方法】2011年11月~2013年2月に便培養でのCDの検出およびCDトキシン陽性患者47例を対象とした.性別,年齢,基礎疾患,バンコマイシン酸の投与期間,再発の有無,下部消化管内視鏡検査像,抗菌薬やPPI,H2RA,ステロイド,免疫抑制剤,抗癌剤の投与,栄養摂取経路について検討した.【成績】男女比は4:6,平均年齢68.2歳,基礎疾患は消化器疾患14例,がん9例,糖尿病7例,腎疾患7例,膠原病7例,その他18例であった.CDトキシンのみ陽性が27例(48%),便培養のみ陽性が19例(34%),両方の検査で陽性が10例(18%)であった.バンコマイシン酸の投与期間は7日以内が18例で3例が再発(16%),8日以上が29例で6例(20%)が再発で投与期間の延長による再発抑制は認めなかった.35例(74%)に2週間以内の抗菌薬の投与を認めた.抗菌薬が投与されていなかった12例(26%)の患者の基礎疾患は潰瘍性大腸炎4例,肝硬変3例,その他5例で抗菌薬はなかったがPPIの投与が6例,H2RAが2例,ステロイドが4例,免疫抑制剤が1例であった.栄養摂取経路は経口が36例(77%),経静脈栄養が5例(11%),経腸栄養が3例(6%),絶食が3例(6%)であった.下部消化管内視鏡検査は10例に施行され基礎疾患は潰瘍性大腸炎が4例,腎疾患が2例,その他4例であった.内視鏡所見は発赤やびらんが7例,潰瘍形成が5例(CMVの合併1例,潰瘍性大腸炎3例,虚血性腸炎1例)小白苔や白色粘液の付着が4例で偽膜形成は1例のみであった.【結論】CD感染の診断にはCDトキシン,便培養の両方をする事が重要である.また抗菌薬の投与がなくても潰瘍性大腸炎や肝硬変,PPIやステロイド内服中の患者には感染を疑う必要性がある.
索引用語 Clostridium difficile, CDAD