セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-抗血栓薬
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タイトル |
内P-346:抗凝固薬,抗血小板薬内服の大腸疾患発見率に与える影響
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演者 |
萱嶋 信介(藤崎病院・内科DELIMITER下馬6-21かやしま医院) |
共同演者 |
村中 伸也(藤崎病院・内視鏡室), 今井 信弘(藤崎病院・内科), 高階 幹(藤崎病院・外科), 藤崎 滋(藤崎病院・外科) |
抄録 |
【目的】抗凝固療法,抗血小板療法の有無により,大腸疾患の早期発見に寄与するか否かを検討した.【方法】当院(東京都江東区の市中病院)において2011年6月から2013年2月の間,便潜血検査(2回法)を行った,主として大腸がん検診対象者(1784例)を解析した.便潜血検査にて陽性となった患者には,結果報告時に大腸内視鏡検査を受けるように促した.【結果】便潜血陽性者は182例,その中で85例に大腸内視鏡検査を施行した.そのうち抗凝固,抗血小板薬を服薬していなかった患者(非服薬群)は74例,男女比36:38,平均年齢64.5歳であり,服薬していた患者(服薬群)は11例,男女比8:3,平均年齢73.1歳であった.また大腸内視鏡未施行者97例のうち,6例では内服していた.非服薬群74例中では異常なし27例(36.5%),大腸ポリープ31例(41.9%),大腸癌9例(12.2%),痔核3例(4.1%),憩室2例(2.7%),血管異形成1例(1.4%),虚血性腸炎1例(1.4%)であり,服薬群では異常なし7例(63.6%),大腸ポリープ3例(27.3%),痔核1例(9.1%)であった.非服薬群では,治療を要する大腸癌とポリープの比率は78.4%であったのに対して,服薬群では大腸癌は発見されず,大腸ポリープは27.3%であった.【結語】当院の結果からは抗凝固薬,抗血小板薬を内服することにより,小さい病変や早期の病変からの出血が助長され,高率に病変発見率が上昇するのではないかという事が期待されたが,逆に病変を有さない患者での便潜血検査陽性率の上昇が認められた.一方で便潜血陽性者の大腸内視鏡受験率は46.7%と低く,今後の改善が望まれるという事.更に便潜血検査自体の陽性率が10.2%と低かったことより,便潜血検査の結果に関係なく,積極的にスクリーニングとしての大腸内視鏡検査を行うことが重要であると予想された. |
索引用語 |
便潜血検査, 大腸内視鏡 |