セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-ESD1
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タイトル |
内P-354:“輪ゴムを使用しない多連結ナイロン輪による牽引法”を施行した大腸ESDの4例
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演者 |
高嶋 吉浩(福井県済生会病院・外科) |
共同演者 |
宗本 義則(福井県済生会病院・外科), 斉藤 健一郎(福井県済生会病院・外科), 松田 尚登(福井県済生会病院・内科), 登谷 大修(福井県済生会病院・内科) |
抄録 |
【はじめに】大腸ESDにおいて輪ゴムを用いた牽引法は順天堂大学チームよって考案され,我々も一昨年・昨年とJDDWにおいてその使用経験を報告してきた.また昨年はその有効性を検証する多施設共同臨床試験も行われている.しかし,クリップに輪ゴムを装着してシース内に納めるのはやや煩雑であり未だ普及しているとは言えない状態である.今回我々は輪ゴムを使用せずに多連結ナイロン輪のみによる牽引法が十分実用的で簡便であることを4例経験したので報告する.【方法】5-0ナイロンで直径4-5mm程度のリングを作成し3~5輪連結させる.これをショートクリップ根部に装着して直接病変辺縁を把持するか,或は生検鉗子で病変近傍に置いた後ショートクリップで引っかけて病変辺縁を把持する.次に多連結ナイロン輪の対側輪を反対側壁にクリッピングすることで病変の粘膜下層が展開される.【対象症例】直腸LST20~30mm大(高度異型腺腫2例,腺腫内癌1例),及び直腸15mm大カルチノイドの計4例に対してESD施行した.【結果】4例共に容易に一括切除可能で合併症も認めなかった.【考察】輪ゴム牽引法と比較した多連結ナイロン輪牽引法の特徴1) 接着剤によるクリップへの事前装着を必要としない.2) 腸管径に合わせてリング把持部位を変化させることが出来る.3) 施行途中でナイロン輪切断し牽引し直すことで,牽引方向を変化させたりテンションを高めることができる.4) エアー量を調節すること剥離面のテンションを調節することが可能で輪ゴムの必要性を感じなかった.5) 直視方向の病変を接線方向に変えることが可能となる症例もあった.6) 特殊なゴムを必要としないので,どこの施設でも簡単に低価で作成可能である.【結語】多連結ナイロン輪を使用した牽引法は大腸ESD手技を簡便にすることができ,安全性を向上させ合併症を減少させる効果が期待できると思われた. |
索引用語 |
大腸ESD, ナイロン輪牽引法 |