セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ESD2

タイトル 内P-359:

大腸ESD後の経口摂取に関する検討

演者 嵩原 一裕(順天堂大・下部消化管外科)
共同演者 青木 順(順天堂大・下部消化管外科), 岡澤 裕(順天堂大・下部消化管外科), 高橋 里奈(順天堂大・下部消化管外科), 水越 幸輔(順天堂大・下部消化管外科), 河合 雅也(順天堂大・下部消化管外科), 宗像 慎也(順天堂大・下部消化管外科), 石山 隼(順天堂大・下部消化管外科), 杉本 起一(順天堂大・下部消化管外科), 高橋 玄(順天堂大・下部消化管外科), 柳沼 行宏(順天堂大・下部消化管外科), 小島 豊(順天堂大・下部消化管外科), 五藤 倫敏(順天堂大・下部消化管外科), 冨木 裕一(順天堂大・下部消化管外科), 坂本 一博(順天堂大・下部消化管外科)
抄録 【目的】合併症の発生を懸念して大腸ESD後の絶食期間は長く設定される傾向にある.当科のプロトコールではESD後2日間の絶食期間を設けているが,絶食期間を安全に短縮することが可能かどうかの検討を行った.【方法】1)2006年4月~2012年6月に大腸ESDを施行した382例を対象とし,術後の腹部およびレントゲン所見,WBCやCRPの推移について検討した.なおWBCは10000/μl以上もしくは術前の2倍以上に上昇,CRPは2.0mg/dl以上に上昇したものを所見ありとした.2)2012年7月~2013年1月に大腸ESDを行った28例を対象とし,術後に第2病日までエレンタールを摂取したエレンタール群(14例)と第2病日まで絶食の非エレンタール群(14例)で,腹部およびレントゲン所見,WBCやCRPの推移に加えプレアルブミン,レチノール結合蛋白,トランスフェリンの推移について検討した.【成績】1)382例中,術中合併症がなく第1病日も所見のない282例のうち,268例(95%)は第3病日も異常所見を認めなかった.2)エレンタール群と非エレンタール群で患者背景に差はなく,WBCやCRPの推移にも有意差は認めなかった.プレアルブミン,レチノール結合蛋白,トランスフェリンの第3病日と術前の値を比較し,算出した低下率をエレンタール群と非エレンタール群で比較したところ,それぞれ87.3%:85.8%(p=0.69),85.8%:80.8%(p=0.17),96.1%:91.2%(p=0.08)で,いずれも有意差を認めなかった.【結論】1)ESD後の第1病日に所見がなければ第2病日から安全に食事を開始できる可能性が示唆された.2)短期間の絶食期間は栄養状態に大きな影響を及ぼさなかったが,ESD後早期からエレンタールを摂取して積極的に腸管を用いることに問題は生じなかった.以上よりESD後第1病日に所見がなければ第2病日から食事を開始することは問題ないと考えられる.今後,新たなプロトコールを作成し検討を行う予定である.
索引用語 大腸ESD, エレンタール