セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-ESD3 |
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タイトル | 内P-364:当科における大腸ESDの長期成績についての検討 |
演者 | 水野 研一(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部) |
共同演者 | 橋本 哲(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部), 竹内 学(新潟大・3内科), 小林 正明(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部), 高橋 一也(新潟大・3内科), 高橋 祥史(新潟大・3内科), 西垣 佑紀(新潟大・3内科), 山本 幹(新潟大・3内科), 本田 穣(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部), 塩路 和彦(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部), 横山 純二(新潟大・3内科), 佐藤 祐一(新潟大・3内科), 成澤 林太郎(新潟大医歯学総合病院・光学医療診療部), 青柳 豊(新潟大・3内科) |
抄録 | 【目的】大腸腫瘍に対する粘膜下層剥離術(大腸ESD)が保険診療として認可され,多くの施設で行われるようになった.しかし大腸ESDは高い一括切除率を有するも,その難易度の高さや穿孔など偶発症の頻度の高さが問題点として指摘されている.また大腸ESDの長期予後についての報告はまだ少なく,本法の妥当性については更なる検討が必要である.今回我々は,当科のESDの短期および長期成績について検討した.【方法】2005年2月より2012年10月に当院にてESDを施行された結腸および直腸の上皮性腫瘍411症例,426病変を対象とした.これらの臨床病理学的特徴や手術成績,また長期予後として局所再発率,3年生存率及び5年生存率について検討した.【成績】平均年齢68.9±10.3歳,男女比253/165人であり肉眼型はLST-G 51%,LST-NG 35%であった.平均腫瘍径は34±15mm,平均切除径は44±17mmで平均手術時間は116±73分,一括切除率は96%であった.偶発症では術中穿孔が6.0%,後出血は0.7%に認められた.緊急手術を要した症例は4例であった.ガイドラインに準じて病理診断結果より追加切除が推奨される25例のうち15例に追加切除が施行された.長期成績では分割切除となった1例にて局所再発が認められ,局所再発率は0.56%であった.3年以上経過の追えた200例(追跡率 88.5%)にて原病死はなく,3年生存率は97.0%(追跡期間中央値 50.6か月)であった.また5年以上経過の追えた63例(追跡率 81.9%)においても原病死はなく,5年生存率は87.3%(追跡期間中央値 68.8か月)であった.【結論】大腸ESDは高い一括切除率を有し,その偶発症の発生も許容しうる範囲内であると考えられた.長期成績についても良好な結果が得られたが,更なる症例の蓄積が必要であると考えられた. |
索引用語 | 大腸腫瘍, 大腸ESD |