セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ESD3

タイトル 内P-365:

当科の大腸腫瘍におけるESDの検討

演者 千葉 宙門(会津中央病院・消化器病センター)
共同演者 平嶋 勇人(宇都宮記念病院・消化器内科), 宇賀治 良平(宇都宮記念病院・消化器内科), 平嶋 勇希(平嶋胃腸科外科医院), 岩尾 年康(会津中央病院・消化器病センター), 多田 大和(会津中央病院・消化器病センター)
抄録 【はじめに】大腸癌の罹患率が増加していることは統計的にも明らかであり,今後もさらに大腸ESD症例は増加することが予想される.厚生労働省も2009年6月より早期大腸癌に対して大腸ESDが先進医療として承認され,さらに2012年4月には保険適応が承認され整備も進んでいる.つまり,大腸ESDは時代の流れに対応した治療法の一つであり,今後さらなる標準化が必要とされる.【目的】当科で大腸ESDを行い問題のあった症例を検討してみた.【対象】2008年5月から2013年1月までに当科でESDを実施した63例より検討した.【結果】男性40例,女性23例,平均年齢71歳(44-92歳)であった.組織型は,腺腫36例(57.1%),癌27例(42.9%)であった.癌のうちで,m癌23例(36.5%),sm1000ミクロン以下1例(1.6%),sm1000ミクロンを超えるもの3例(4.8%)であった.一括切除率は,56/63例(88.9%),治療の中断例はなし,穿孔および穿通は4例(6.3%)ですべて保存的に管理し得た.非一括切除例の7例および穿孔した4例を,問題のあった症例とし検討したところ,問題の原因を大きく2郡に分けることができ,1.内視鏡操作性(局在を含む)の問題と2.線維化の問題であった.非一括切除例においては,1.内視鏡操作性が原因4/7例,2.線維化が高度(陥凹型LST-NGが2例,sm2浸潤が1例)で局注不良なものが3/7例であった.また,穿孔例では,1.内視鏡操作性が原因2/4例でともに肝彎曲部であり,2.線維化が高度なものが1/4例であった.【結論】問題となった症例の原因としては,内視鏡操作性の問題と線維化が大きく関与することが考えられた.大腸ESDの問題のあった症例さらには困難症例について今後も検討を重ね,治療前よりリスクを理解しさらなる安全性を追求してゆきたい.
索引用語 大腸ESD, 安全性