セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ESD3

タイトル 内P-366:

当科における大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

演者 大塚 洋子(東京女子医大東医療センター・検査科)
共同演者 坂本 輝彦(東京女子医大東医療センター・検査科), 山田 理恵子(東京女子医大東医療センター・検査科), 角田 千尋(東京女子医大東医療センター・検査科), 渡邊 清(東京女子医大東医療センター・検査科), 川嶋 恵(東京女子医大東医療センター・検査科), 光丸 哲吉(東京女子医大東医療センター・検査科), 加藤 博之(東京女子医大東医療センター・検査科)
抄録 【はじめに】大腸ESDは ,薄い大腸壁のため技術的に困難であるとされてきた.当科では,2005年より実施し,2010年から先進医療の認可を受け積極的に実施してきたので報告する.【対象と方法】対象は,2013年1月までに当科で施行された大腸腫瘍209例.内視鏡観察後,ヒアルロン酸Naを粘膜下層に注入した後,主にFlush knifeBT1.5またはClutchCutterを用いて周辺切開と粘膜下層の剥離を行い腫瘍を切除した.治療経過および臨床病理学的事項を検討した.【結果】施行部位は横行結腸(56例)と直腸(50例)に多く,全大腸で施行可能であった.肉眼形態ではIIa型が157例と多かった.平均腫瘍径29.2mmで最大95mmまで切除可能であった.一括切除率90.0%,平均所要時間は74分であった.偶発症は,内視鏡的止血術を必要とした後出血が1.9%,微小穿孔による後腹膜気腫が3.3%,腹腔内遊離ガス像2.4%に認められたが,内視鏡的クリップ処置により軽快し緊急手術例はなかった.また,偶発症は後期で減少していた.病理結果は,腺腫113例,Cancer in adenoma 40例,M癌29例,SM軽度浸潤癌6例, SM高度浸潤癌11例,カルチノイド腫瘍10例であった.臨床経過は,M癌で粘膜内再発を1例認め,再内視鏡治療を行なった.SM高度浸潤癌11例は追加腸切除が施行され2例にのみ癌遺残を認めた.【結語】大腸ESDは,機器と技術の向上により安全に行われるようになっており,大きな腫瘍も一括で切除可能であった.
索引用語 大腸腫瘍, ESD