セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ESD4

タイトル 内P-369:

当院における大腸ESDの現況(高周波はさみ鉗子の有用性と課題)

演者 小池 潤(東海大・消化器内科)
共同演者 中島 貴之(東海大・消化器内科), 中原 史雄(東海大・消化器内科), 津田 真吾(東海大・消化器内科), 中村 淳(東海大・消化器内科), 仁品 玲子(東海大・消化器内科), 木嶋 麻衣子(東海大・消化器内科), 築根 陽子(東海大・消化器内科), 藤澤 美亜(東海大・消化器内科), 内田 哲史(東海大・消化器内科), 湯原 宏樹(東海大・消化器内科), 五十嵐 宗喜(東海大・消化器内科), 鈴木 孝良(東海大・消化器内科), 松嶋 成志(東海大・消化器内科), 峯 徹哉(東海大・消化器内科)
抄録 【背景】大腸ESDは2012年4月に保険収載され, 施設基準を満たした届出施設で施行可能となった. 当院では2009年6月に開始したが, 先端系デバイスに不慣れであり, 少数例にとどまっていた. しかし2011年に高周波はさみ鉗子を導入後症例数が増加している. 【目的】当院での大腸ESDの成績から高周波はさみ鉗子の有用性と課題について検討する. 【方法】2009年6月から2013年3月までに施行した大腸ESD症例を集積し治療成績を検討した. 【結果】症例は2009年1例, 2010年7例, 2011年40例, 2012年39例(42病変) 2013年9例,計96例(99病変)施行. 男性55, 女性41. 平均年齢67歳(35-90歳), scopeはPCF-Q260JI, GIF-Q260J(Olympus社製),デバイスは先端系7, 高周波はさみ鉗子88, 高周波はさみ鉗子+先端系4. 局注液はヒアルロン酸ナトリウム,止血は大腸用止血鉗子,高周波装置はVIO300D(ERBE社製), 先端アタッチメントとCO2送気は必須とした. 病変部位はR42, A18, T13,C12, S10, D4. 病理診断は腺腫/早期癌92, カルチノイド7. 腺腫/早期癌の病型はLST 83(LST-G53, LST-NG 30), ls型 3, lsp型 3, ls+lla 型2, lla+llc 型1, またEMR後再発例4であった. トレーナー施行76トレーニー施行23.治療成績は治療平均時間は平均124分(25-418分), 平均腫瘍長経27.9mm(4-65mm), 一括切除率97%, 完全一括切除率80%, 穿孔は3例(3.0%)で認め,1例のみ手術を要した. 後出血は3例(3.0%)で内視鏡的に止血術を施行した. 短期間であるが転移・局所再発を認めていない.【考察】当院では高周波はさみ鉗子を導入後症例数が増加した. トレーニー施行例も含め保険収載後偶発症はなく,全体での偶発症発生頻度も他施設と同程度であった.【結語】大腸ESDにおいて,高周波はさみ鉗子は切開する部位を把持し直すことが可能であり, 胃・食道ESDを完遂できる術者であれば安全に施行し得るデバイスと考える.
索引用語 大腸ESD, 高周波はさみ鉗子