セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ESD4

タイトル 内P-370:

大腸ESDにおける新型ITナイフ(KD-Y0009)の使用経験

演者 亀井 昭(国立三重中央医療センター・消化器科)
共同演者 子日 克宣(国立三重中央医療センター・消化器科), 渡邉 典子(国立三重中央医療センター・消化器科), 長谷川 浩司(国立三重中央医療センター・消化器科), 高見 麻佑子(伊勢赤十字病院・消化器科), 大山田 純(伊勢赤十字病院・消化器科)
抄録 (目的)大腸ESDは平成24年4月より保険認可され,今後普及することが予測される.一方で胃のESDに比べ難易度が高く,穿孔等の偶発症が危惧されるため,今後安全性の確保が重要な課題と考えられる.2012年6月に発売された新型ITナイフは,胃のESDでのITナイフの普及を考えると,大腸ESDでも有効性が期待されるデバイスである.今回大腸ESDにおいて新型ITナイフを使用する経験を得たので報告する.(方法)大腸ESDを周辺切開はフラッシュナイフで行い,剥離の際に新型ITナイフを併用した.対象は2012年9月~2013年2月までに大腸ESDを施行した症例のうち,全体の処置の70%以上に新型ITナイフを使用した14病変とした.男性8例,女性6例,平均年齢66才.病変部位は盲腸4例,上行結腸3例,横行結腸4例,下行結腸2例,S状結腸1例,直腸0例で,肉眼形態はLST-G 3例,LST-MG 4例,LST-NG 7例.(成績)切除時間は平均79分(25~132分),病変径は平均29mm(22~42mm),切除径は平均25mm (18~40mm),組織はadenoma8例,ca in adenoma 4例,ca with adenoma 1例,carcinoma 1例.一括切除率は93%(13/14),一括完全切除率は64%(9/14)であった.合併症は後出血,穿孔は伴に認めなかった.2病変で新型ITナイフ,フラッシュナイフ以外にSBナイフJr.を併用した.(結論)新型ITナイフは先端チップが小型化し,従来のIT knifeに比べ粘膜下層にもぐり込みやすくなっている.大腸の直腸以外のすべての部位で使用できており,穿孔例もなく使いやすい印象であった.ただ粘膜下層に力の伝わりにくい状態では切れにくく,他のデバイスへの変更を要した.使用感としては胃でのITナイフ1に近いと思われ,安全性の高いデバイスと考えられる.
索引用語 新型ITナイフ, 大腸ESD