セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-ESD4 |
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タイトル | 内P-373:腫瘍径5cm以上の病変に対する大腸ESD |
演者 | 石垣 智之(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
共同演者 | 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 林 武雅(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 須藤 晃佑(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 豊嶋 直也(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 及川 裕将(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 矢川 裕介(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 中村 大樹(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 前田 康晴(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 和田 祥城(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 宮地 英行(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
抄録 | 【目的】大腸ESDは2012年4月より保険収載され,適応病変は腫瘍径2cmから5cmまでの早期癌又は腺腫となっているが,主にESD適応となるLSTには5cm以上の病変も数多く存在する.腫瘍径の上限5cmに関し,これが妥当であるか検討する.【方法】当施設で2012年12月までに大腸ESDを施行した483病変に関し,腫瘍径50mm未満と50mm以上に分け,その治療成績を検討した.【成績】腫瘍径50mm未満の404病変では,平均年齢:67.5±9.9歳,性別(男/女):267/137,局在(結腸/直腸):78.7%/21.3%,肉眼形態 LST-G(H)/LST-G(M)/LST-NG(F)/LST-NG(PD):16%/23%/41%/20%,平均切除時間:81.8±50.8分,一括切除率:96.5%,後出血率:1.5%,穿孔率:3.5%であった.病理結果は,腺腫/M/SMs/SMm:29.7%/45.8%/10.1%/14.4%であった.腫瘍径50mm以上の79病変では,平均年齢:67.8±11.5歳,性別(男/女):38/41,局在(結腸/直腸):65.8%/34.2%,肉眼形態H/M/F/PD:43%/48%/9%/0%,平均切除時間:161.4±94.4分,一括切除率:94.9%,後出血率:1.3%,穿孔率:1.3%であった.病理結果は,腺腫/M/SMs/SMm:21.5%/68.3%/5.1%/5.1%であった.両群を比較すると,平均切除時間は50mm以上で有意に長かった(p<0.01)が,一括切除率(p=0.79),後出血(p=0.88),穿孔(p=0.30)の発生率には有意差を認めなかった.また,SM癌率は50mm未満では24.5%であるのに対し,50mm以上では10.2%と逆に低い結果となった.これは,SM癌率の高いLST-NG(PD)の全てが50mm未満であったことも影響している.【結論】腫瘍径50mm以上の病変では,治療時間はかかるものの,両群間で一括切除率,偶発症の発生率に大きな差異は無い.また,SM癌率も低く内視鏡的に根治術が可能となるため,ESDによる完全切除は有効な治療法であると思われた.5cmを超える病変に対しても今後の適応拡大が望まれる. |
索引用語 | 大腸ESD, 5cm |