セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-鋸歯状病変2

タイトル 内P-382:

大腸鋸歯状病変に対するNBI拡大観察を用いた内視鏡診断能についての前向きPilot study

演者 山階 武(大阪府立成人病センター・消化管内科)
共同演者 竹内 洋司(大阪府立成人病センター・消化管内科), 飯石 浩康(大阪府立成人病センター・消化管内科)
抄録 【背景】大腸鋸歯状病変(SSA/P)の特徴的な内視鏡所見として,腺窩開口部の開大を認めるII-O pitや拡張した血管であるVMV(Varicose Microvascular Vessel)などが報告されている.当院での後ろ向き検討ではこれらの所見のSSA/Pに対する感度,特異度,正診率が97%,75%,86%であった.【目的】NICE分類Type1(HPもしくはSSA/P)と分類された大腸ポリープにおけるNBI拡大観察のSSA/Pに対する診断能を前向きに検討する.【方法】当院で内視鏡治療予定の10mm以下の大腸ポリープを対象とし,NBI拡大観察における腺窩開口部の開大所見(NBI-E)もしくはVMVを認めた病変をSSA/P,どちらも認めない病変を過形成性ポリープ(HP)として病理所見を検討した.【結果】期間中,295病巣のポリープが前向きに登録され,NICE分類Type2,3であった226病巣,NBI拡大観察がなされなかった12病巣,組織回収不能の2病巣,判定不能の1例を除外した27名54病巣(平均年齢66歳,男女比21:6,大きさ中央値(範囲)5(2-10),部位:上行23,横行12,下行2,S状13,直腸4)が対象となった.SSA/P 22病巣(41%),HP 16病巣(30%)adenoma9病巣(17%)であった.NBI-E,VMV,両所見を合わせた診断能(感度,特異度,正診率)はそれぞれ(87%,81%,76%),(36%,66%,42%),(96%,56%,60%)であった.また,SSA/Pと診断したが誤診した病変の大きさは平均5.1mmで,SSA/Pと正診した病変(平均6.9mm)に比べて有意に小さかった(P=0.03).
索引用語 NBI拡大観察, SSA/P