セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-手術

タイトル 内P-385:

S状結腸憩室穿孔に対してハルトマン術と人工肛門閉鎖術を施行後3年9カ月目に吻合部すぐ肛門側に発生した進行S状結腸癌の1例

演者 山下 晋也(加納総合病院)
共同演者 寺島 毅(加納総合病院), 田中 純一(加納総合病院)
抄録 症例:81歳男性.主訴:排便痛と排便時出血.既往歴:心筋梗塞(stent治療後),好酸球性肺炎(ステロイド内服治療中),肺気腫,内痔核.現症:身長158cm,体重60kg,PS1.現病歴:H20年9月にS状結腸憩室穿孔に対してハルトマン術を施行.その後H21年3月に人工肛門閉鎖術を行なったが,閉鎖部の瘢痕ヘルニアでH22年3月に修復術を施行した.その後は痔核に対する軟膏処方のため外来経過観察中であった.内痔核はGoligher3度であり手術適応はあったが,手術はしたくないという本人の希望が強く,経過観察となったいた.上記主訴の訴えが強いため,本人と相談して硬化療法を計画,前回手術が良性疾患による緊急ハルトマン術であり,人工肛門閉鎖時も含めて大腸内視鏡検査(Colon Fiber:CF)未施行であったため,硬化療法前に念のためCFを施行したところ人工肛門閉鎖後3年9カ月目に吻合部との関係ははっきりしない全周性の2型大腸癌(tub1)を認めた.内痔核の治療は一度延期のうえ大腸癌の治療を先行,患者背景を考慮して開腹S状結腸切除術+D1郭清(吻合はDST)を施行.術後の経過は良好で合併症なく退院.切除標本より腫瘍は前回の手縫い吻合部すぐ肛門側に発生しており,pSSであった.内痔核に対しては大腸癌術後2カ月目に硬化療法を施行した.まとめ:良性疾患によるハルトマン術後の人工肛門閉鎖術であっても,手術前に経肛門的,経人工肛門的に大腸内視鏡によるスクリーニングを施行することで大腸癌を発見する可能性はある.そのため人工肛門閉鎖前には必ずCFを行うことが重要であると考えられた.
索引用語 人工肛門閉鎖, 進行大腸がん