セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント1

タイトル 内P-387:

悪性大腸閉塞に対する大腸ステント留置後再閉塞に対するstent-in-stent法の有用性

演者 成田 明子(東京大・消化器内科)
共同演者 吉田 俊太郎(東京大・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 神宝 隆行(東京大・消化器内科), 七條 智聖(東京大・消化器内科), 山田 篤生(東京大・消化器内科), 高木 馨(東京大・消化器内科), 濱田 毅(東京大・消化器内科), 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 木暮 宏史(東京大附属病院・光学医療診療部), 山本 夏代(東京大・消化器内科), 中井 陽介(東京大・消化器内科), 山地 裕(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科)
抄録 【目的】大腸悪性狭窄に対するステント留置術の安全性と有用性が近年報告されている.ステント留置術は本邦でも2012年1月に保険収載となり広まっているが,ステントの再閉塞に対する手技は確立されていない.今回,大腸ステント閉塞に対する当科での対処法を検証する.【方法】臨床試験(UMIN000004566)を開始した2006年3月から,当科では76症例におステント留置を行った.閉塞が疑われた場合には,内視鏡検査にて閉塞原因を同定した.便塊による場合は内視鏡にて洗浄し,腫瘍による閉塞の場合にはstent-in-stentの形でステント追加留置を行った.留置ステントを越える際には,ガイドワーヤー先端をJ字型にして突破した.ステントはcoveredもしくはuncovered typeを使用した.【成績】再閉塞を16例に認め,3例は便塊による閉塞で,内視鏡的洗浄で食事再開可能であった.腫瘍性閉塞の13例中11例でステント留置を行い,全例で技術的及び臨床的に成功した.2例は人工肛門造設を行った.再閉塞に対する内視鏡治療は,14例(87.5%)で成功となった.再留置症例の年齢中央値は72歳(52-84歳)であり,閉塞部位の内訳は直腸4例,S状結腸3例,下行結腸2例,脾弯曲2例であった.大腸癌5例,膵癌3例,胃癌1例,膀胱癌1例,卵巣癌1例であった.追加後のステント開存期間の中央値は85日(13-230日),追加後の生存期間の中央値は132日(24-345日)であった.重篤な有害事象を認めなかった.【結論】大腸癌あるいは腸管外病変による悪性大腸狭窄に対するSEMS留置後の再閉塞に対して,stent-in-stent法でSEMS追加留置を施行することは,安全かつ効果的な一選択肢となり得ることが示唆された.
索引用語 悪性大腸狭窄, 再閉塞