セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント1

タイトル 内P-389:

大腸ステントにおける偶発症の検討 OTG法とTTS法の比較

演者 佐瀬 友博(鈴鹿中央総合病院・消化器内科)
共同演者 磯野 功明(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 田中 宏樹(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 新田 真吾(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 松崎 晋平(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 斎藤 知則(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 岡野 宏(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 向 克巳(鈴鹿中央総合病院・消化器内科)
抄録 【目的】悪性大腸狭窄症例において大腸ステントは低侵襲で減圧,経口摂取が望める治療である.2012年1月からは専用器具としてTTSステントが保険適応となり,挿入率も90%以上と格段に向上している.しかし適応症例の増加,拡大とともに偶発症の発生も多くなり,軽視できなくなってきている.これまでに当院で経験した大腸ステント留置症例について検討した.【対象】2005年7月から2013年1月において大腸ステント留置を行った29症例が対象.男性16名,女性13名,年齢79±11歳.原因疾患は大腸癌18例,播腫8例,他臓器腫瘍やリンパ節腫大による圧排3例.狭窄部位は直腸5例,S状結腸(RS colonも含む)18例,横行結腸3例,上行結腸から回盲部3例.留置法は2012年1月まではOTG法にて11例(Boston社UltraFlex),それ以降は主にTTS法にて18例(WallFlex)を選択した.【成績】留置時偶発症としては屈曲,狭窄にてデバイスの通過不能1例,通過困難のためバルーン拡張追加時の穿孔1例(挿入率93%).留置後偶発症としては屈曲,捻じれやkinkにて留置後も有効な減圧が得られず経口摂取に至らなかった減圧不良例3例.(臨床症状改善率93%).Tumor ingrowthによる再狭窄3例があり平均開存期間は164日であった.その他の症例では生存中の方や原病死された方もステント狭窄なく経過している.脱落は1例にみられた.留置時偶発症として狭窄部でのステント通過困難例はOTG法でみられ,留置後偶発症の通過障害改善不良や脱落はTTS法で多かった.【考察】OTG法においては困難であった深部大腸や狭窄の強い病変でもTTS法では留置可能であり挿入性では有用と考えた.しかしTTSステントの特性として1)Axial forseが強いためのkinkや2)遠位側からのリリースのため長い狭窄に対してステントを引きながら合わせると拡張不良となるなど有効な減圧が得られない場合もあった.今後は狭窄部位によって慎重な留置手技が必要と考える.
索引用語 大腸ステント, 大腸イレウス