セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント1

タイトル 内P-391:

大腸ステント留置術の検討-留置後合併症を中心に-

演者 黄 世揚(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 馬場 哲(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 北川 紗里香(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 路川 陽介(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 平石 哲也(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 公文 大輔(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 福田 安伸(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 鈴木 通博(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】大腸ステント留置症例8例における有用性および安全性を検討した.【方法】大腸ステント保険収載後に施行された8例での成功率,留置期間,合併症について既に報告されている成績と比較した.【成績】男女比は男性6例,女性2例,平均年齢は70歳.腫瘍部位はS状結腸3例,横行結腸4例,Rs1例であり留置成功率は100%と良好であった.8例中5例は外科手術前提(Bridge to Surgery)の留置で,平均留置期間は14.4日(8日~20日)であった.5例中2例では術前の退院が可能であり,再入院までの平均日数は9.5日であった.残りの3例は緩和目的1例,手術予定であったが急激な全身状態悪化による手術回避例1例,姑息的手術も困難な化学療法導入予定例1例であった.狭窄が高度で減圧術が早急に必要であった6例はステント挿入に先立ち全例径肛門的イレウス管の挿入を施行した.嚥下機能不良,上部消化管狭窄の併発を認めていた2例以外は留置後平均2.8日より経口摂取が可能で全例において減圧は良好であり閉塞症状の出現は認められなかった.合併症はRsの狭窄に対し術前留置した症例でステント口側と腸管の接触による潰瘍を認めたものの早期に外科手術施行することにより穿孔を回避し得た.【結論】当院の8例においては穿孔,逸脱,再閉塞は生じなかった.大腸はその形状よりmigrationやステント端による接触性潰瘍の形成が起こり得る.BTS症例では殆どが2W以内に外科切除が施行され,重篤な合併症は回避できる可能性が高い.一方,緩和目的でのステント留置は患者の全身状態から,合併症を起こすことで致死的になることや内視鏡での追加処置が困難であることも多い.ステント長期留置の条件としてショートニングを考えた留置部位やステント長の慎重な検討が必要である.当院ではステント挿入後再観察し得た5例中3例でステント先端部の発赤・びらんが生じており,ステント先端部の形状の変更も望まれる.
索引用語 大腸ステント, 合併症