セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-ステント1 |
---|---|
タイトル | 内P-392:大腸ステント治療後の再閉塞に対するAPC焼灼術の使用経験 |
演者 | 田畑 拓久(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科) |
共同演者 | 千葉 和朗(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 来間 佐和子(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 桑田 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 江頭 秀人(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 崇(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 荒川 丈夫(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 神澤 輝実(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 小泉 浩一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科) |
抄録 | 大腸ステント治療はQOL向上に寄与する低侵襲かつ有効な治療法だが,ingrowthやovergrowthによるステントの再閉塞がしばしば問題となる.当科ではこれまでに大腸ステント再閉塞をきたした2例に対してAPC焼灼術を行った.当科での経験をもとに大腸ステント再閉塞に対するAPC焼灼術の有効性と安全性を検証した.症例1は49歳,男性.直腸癌術後の局所再発による直腸狭窄に対して,2010年2月に大腸ステントを留置した.1ヶ月後の大腸内視鏡ではingrowthに加え,Axial Forceによるステントの直線化によりステント口側が腫瘍内に潜り込むような状態となっていた.ステント内腔保持を目的としてingrowthおよびステント口側の腫瘍をAPCにて焼灼した.穿孔などの明らかな偶発症は認めず,APC治療後7ヶ月間は狭窄症状を認めず,外来化学療法の継続が可能だった.症例2は72歳,男性.S状結腸癌術後の吻合部再発による腸閉塞に対して,2012年10月に大腸ステントを留置した.3ヶ月間は狭窄症状なく経過し,外来化学療法が行われた.2013年2月に腸閉塞の診断で再入院となり,CTにてステント再閉塞が疑われた.大腸内視鏡検査ではステント口側を中心にingrowthを認め,ステント再閉塞による腸閉塞と診断された.症例1と同様にAPCを用いて腫瘍を焼灼したところ,ステント内腔の再開存が得られ腸閉塞は改善した.明らかな偶発症は認めなかったが,治療後36日目に原病死した.ステント治療後の晩期偶発症としては再閉塞が最も多く,再閉塞までの期間は平均100日程度とされる.再閉塞に対する治療法としてはstent in stentが一般的だが,腫瘍体積の減少効果を目的としたAPC焼灼術は安価で簡便な治療法である.穿孔には十分な注意が必要であるが,特に緩和治療目的の大腸ステントに再閉塞が生じた例では予後を考慮し,APC焼灼術も選択肢の一つとなりうる. |
索引用語 | 大腸ステント, APC |