セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント2

タイトル 内P-393:

大腸癌による閉塞性イレウスに対するSelf-Expandable Metallic Stent(SEMS)挿入症例の検討

演者 石橋 玲子(福井県立病院・外科)
共同演者 平能 康充(福井県立病院・外科), 服部 昌和(福井県立病院・外科), 西田 洋児(福井県立病院・外科), 導傳 研司(福井県立病院・外科), 石山 寛泰(福井県立病院・外科), 松永 正(福井県立病院・外科), 浅海 吉傑(福井県立病院・外科), 前田 一也(福井県立病院・外科), 宮永 太門(福井県立病院・外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院・外科), 林 宣明(福井県立病院・消化器内科), 波佐谷 兼慶(福井県立病院・消化器内科), 青柳 裕之(福井県立病院・消化器内科), 伊部 直之(福井県立病院・消化器内科)
抄録 【目的】2012年1月より大腸用Self-Expandable Metallic Stent(以下SEMS)が保険適応となり,今後さらに適応症例が増加すると思われる.当院でも2012年8月より大腸癌イレウスに対し, SEMSの術前一時的留置を行っている.SEMSを大腸癌根治切除術前に挿入した症例の成績を報告する.【方法】2012年8月から2013年3月までに施行した大腸癌手術のうち,術前にSEMSを留置した症例について検討する.【成績】期間中に大腸癌による閉塞性イレウス,または亜イレウス状態と診断され,処置を必要とした症例は12例であった.そのうちSEMSを使用した症例は8例であり,挿入部位は上行結腸1例,横行結腸2例,S状結腸3例,直腸2例であった.病期はStage2 4例,Stage3a 3例,Stage4 1例(肝転移)であった.深達度は全てSS以上であり,SS 4例,SE 4例であった. SEMS挿入から手術までの期間の中央値は20.5日であり,SEMS挿入後,手術までに4人が一時退院した.吻合は4例では端端吻合を行い,3例で機能的端端吻合を行ったが,1例は吻合を行わず人工肛門となった.術後合併症は2例で認めており,縫合不全が1例,腹腔内膿瘍が1例であった.ステント関連の合併症として,留置時の穿孔・再閉塞等は認めなかったが,2例でSEMSの滑脱を認めた.そのうちの1例はSEMS挿入後に化学療法を施行しており,SEMSの滑脱を起因とした膀胱および大腸穿孔のため緊急手術が必要であった.【結論】SEMSは大腸癌イレウスに対し,術前の一時的処置として有用である.しかし,挿入後のトラブルにて重篤な合併症を起こす危険性がある.また, SEMS挿入にて予後が悪化するとの報告もあり,SEMSの使用はさらに検討が必要である.
索引用語 大腸ステント, 閉塞性イレウス