セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-ステント2 |
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タイトル | 内P-397:2か所の大腸悪性狭窄を伴う治癒切除不能大腸癌においてself-expanding metal stentが診断,減圧,およびQOLの向上に寄与した1例 |
演者 | 平田 翔(市立小樽病院・消化器内科) |
共同演者 | 伊志嶺 優(市立小樽病院・消化器内科), 三橋 慧(市立小樽病院・消化器内科), 内藤 崇史(市立小樽病院・消化器内科), 矢花 崇(市立小樽病院・消化器内科), 安達 雄哉(市立小樽病院・消化器内科), 後藤 啓(市立小樽病院・消化器内科), 鈴木 隆(市立小樽病院・消化器内科), 近藤 吉宏(市立小樽病院・消化器内科), 篠村 恭久(札幌医大・1内科) |
抄録 | 【背景】大腸閉塞は大腸癌の10-30 %に合併し,緊急に減圧が必要である.減圧法は外科手術と非外科治療に分けられる.self-expandable metallic stent (SEMS)は,欧米において,非外科治療として,外科手術前の減圧(bride to surgery)もしくは緩和的減圧(definitive palliation)として検討されてきた.近年,本邦においてもSEMSが保険収載され,実地臨床でも使用可能となった.【症例】患者は88歳.体重減少を主訴に来院.CTにて上行結腸癌およびDouglas窩,肺,肝転移が疑われた.大腸内視鏡では,直腸S状結腸部に通過不能の狭窄を認めた.患者は手術,化学療法を希望されず,緩和的SEMSを行った.肛門側の狭窄に対してSEMSを留置.その後,SEMS内を通過し,全周性狭窄を伴う上行結腸癌を診断.さらに同部位に対して,SEMSの留置を行った.術後3ヶ月が経過しているが,ステント関連の合併症はなく,食事の経口摂取および排便は良好であることが確認されている.【考察】 緩和的SEMSの臨床的成功率は80 %以上と報告されている.平均開存期間は106日,死亡もしくは観察期間終了時の開存率は90.7 %と,比較的良好な成績が報告されている.治癒切除不能大腸癌の悪性閉塞に対する緩和的SEMSの利点は1)外科治療の回避2)意識下鎮静で可能3)人工肛門造設が避けられ,良好なQOL,また患者および患者家族の受容が良い4)閉塞解除がその場で得られ,食事開始が早い5)化学療法導入までの期間が短い6)在院期間が短い,などであろう.今回,我々は2か所の狭窄を伴う治癒切除不能大腸癌に対して,緩和的SEMSを挿入した.肛門側の狭窄に対してSEMSを留置することにより,内視鏡の通過が可能となり,上行結腸癌の診断が可能となった.また,2カ所の狭窄を解除することにより,外科手術を回避し,良好なQOLが得られた1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する. |
索引用語 | 大腸癌, 大腸ステント |