セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント2

タイトル 内P-398:

当院における内視鏡的大腸ステント留置症例の臨床学的検討

演者 福本 晃平(市立奈良病院・消化器肝臓病センター)
共同演者 竹谷 祐栄(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 北村 陽子(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 田中 斉祐(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 大野 智之(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 金政 和之(市立奈良病院・消化器肝臓病センター)
抄録 【目的】2012年1月より大腸用ステントが保険収載され,悪性結腸直腸閉塞の治療に大腸用ステントが使用可能となった.通常,大腸ステントは術前腸管減圧(Bridge to surgery: BTS)と根治切除不能例に対する緩和治療に使用されるが,その有用性や安全性については未だ明らかでない点も多い.今回,我々が経験した大腸ステント留置症例を検討し,有用性や問題点等について考察した.【方法】2012年5月から2013年3月までに悪性結腸直腸閉塞の治療に大腸用ステントを留置した6例(男性3例,女性3例)を対象とした.年齢は59-81歳(平均70歳)であった.【成績】留置の目的は,BTS 2例,緩和治療4例であった.疾患は,原発性結腸直腸癌5例,膵臓癌の結腸浸潤1例であった.留置部位は,下行結腸2例,S状結腸2例,直腸2例であり,全例でステント留置に成功した.偶発症は認めなかったが,緩和治療目的で不完全閉塞の状態で留置した1例でステントがわずかに逸脱した.しかし,臨床上の問題は発生しなかった.留置後,全例で経口摂取可能となった.BTS症例は2例とも根治手術が施行できた.しかし,そのうち1例は術前の食事制限が守れず,腸管減圧が不十分となったため,術後に縫合不全を発症し,再手術となった.【結論】悪性結腸直腸狭窄に対するステント留置術は,手技成功率が高く,偶発症も少なく,緩和治療目的と術前一時的留置BTS目的のいずれにも有用である.しかし,穿孔やmigration等の偶発症も報告されており,安全に留置するよう細心の注意を払う必要があり,留置後も定期的な画像検査などで厳重な経過観察を行う必要がある.
索引用語 悪性結腸直腸狭窄, 大腸ステント