セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント3

タイトル 内P-401:

当院における大腸用ステントの使用経験

演者 西山 敦士(甲府共立病院・消化器内科)
共同演者 塩沢 敦士(甲府共立病院・消化器内科), 高橋 大二郎(甲府共立病院・消化器内科), 加藤 昌子(甲府共立病院・消化器内科), 安田 慎一郎(甲府共立病院・消化器内科), 小西 利幸(甲府共立病院・消化器内科)
抄録 【目的】悪性大腸狭窄症例に対する大腸用ステント留置は欧米で広く普及しているが,本邦では長年保険収載されなかったため一部の施設において食道用ステントを流用したり大腸用ステントを海外から個人輸入したりしてステント留置が施行されてきた.しかし,2012年よりWallFlex大腸用ステントが保険収載され本邦でも使用可能となった.当院でも2012年5月より同ステントを7例に留置したのでその治療成績を検討する.
【方法】男性2例,女性5例,平均年齢87歳,大腸癌6例,直腸癌術後再発ストマ閉塞(以下ストマ閉塞例)1例に施行しその有効性や合併症を検討した.
【成績】施行目的は全て緩和を目的とした姑息的留置.平均治療時間30分.技術的成功率100%,臨床的成功率100%.術後全例で排便が認められた.ストマ閉塞例(入院中死亡)以外の6例は食事摂取可能となり退院となった.合併症はストマ閉塞例のみで術後疼痛を認めたがそれ以外の症例は経過良好で症状を認めなかった.
【症例】80代女性.貧血(Hb 6.9 g/dl)によるふらつきを主訴に精査・加療目的で入院.CTにて肝弯部に近い上行結腸に壁肥厚と狭窄を認め上行結腸癌疑いの診断.この時点で通過障害なく退院方向であったが第12病日にイレウスとなり第15病日にステントを留置.術後1日目より食事再開.イレウス発症前に摂取していた糖尿病食(御飯)を全量摂取することができ術後12日目に自宅へ退院.
【結論】悪性大腸狭窄に対する大腸用ステント留置は安全かつ有効であることが示された.しかし,当院の施行例はまだ少数であり緩和を目的とした姑息的留置のみであること,また術前腸管減圧治療目的としてのステント留置は経験がなく今後更に症例を蓄積し検討していきたい.
索引用語 大腸ステント, 大腸悪性狭窄