セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント3

タイトル 内P-402:

当院における自己拡張型大腸ステント(SEMS)治療の有用性に関する検討

演者 柴田 倫子(済生会野江病院)
共同演者 片山 雅之(済生会野江病院), 野山 裕揮(済生会野江病院), 谷村 雄志(済生会野江病院), 宮本 早知(済生会野江病院), 青井 一憲(済生会野江病院), 西谷 聡(済生会野江病院), 土屋 さやか(済生会野江病院), 高 貴範(済生会野江病院), 羽生 泰樹(済生会野江病院)
抄録 【目的】欧米では,悪性大腸狭窄に対するSelf-Expandable Metalic stent(SEMS)留置術が広く行われいてる.本邦でも2012年1月より大腸用SEMSが保険適応となった.当院で経験したSMES留置術を施行した症例の成績を踏まえ,その有用性について検討する.【方法】対象は2012年6月から2013年2月の期間に当院で悪性大腸狭窄に対してSEMSを留置した16例.その原因疾患,施行目的,有効率,偶発症等について検討した.全例Boston scientific社製WallFlex Colonic Stentを使用した.【結果】性別は女性3例,男性13例.平均年齢は71.13歳(62~86歳).原因疾患は大腸癌15例(S状結腸6例,下行結腸2例,横行結腸2例,上行結腸1例),膵癌の大腸浸潤が1例であった.施行目的はBridge to surgery(BTS)が14例,姑息的治療目的が3例であった.手技的成功率は100%,臨床的成功率は93.7%であった.15例で治療後経口摂取が可能となった.手技関連の偶発症は認めず,留置後偶発症としてステント内腫瘍浸潤が1例,逸脱が1例にみられたが,穿孔は0例であった.BTS症例ではステント留置後から手術までの平均日数は23.77日(1~70日)であり,9例において腹腔鏡下手術による一期的手術が可能であった.さらに術前に注腸検査または内視鏡検査を行い,口側に外科的治療を要する大腸癌を認めたものが3例あった.また姑息的治療例のうち2例においては留置後1週間以内に化学療法の開始が可能であった.【考察】悪性大腸狭窄に対するSEMS留置術は,低侵襲かつQOL向上に寄与し,姑息的にもBTSとしても有用性が高いと考えられた.一方で,長期留置例における穿孔,再閉塞などの報告もあり,今後さらに症例を蓄積し,検討していく必要がある.
索引用語 大腸ステント, 大腸狭窄