セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント3

タイトル 内P-403:

当院での悪性大腸狭窄による閉塞性イレウスに対する大腸ステントの治療成績

演者 小池 弘太(静岡市立清水病院・消化器内科)
共同演者 窪田 裕幸(静岡市立清水病院・消化器内科), 池田 誉(静岡市立清水病院・消化器内科), 川崎 真佑(静岡市立清水病院・消化器内科), 松浦 友春(静岡市立清水病院・消化器内科)
抄録 【目的】大腸ステントが保険承認され,悪性大腸狭窄による閉塞性イレウスに対してイレウス管に代わる治療法として使用可能になった.今回当院にて悪性大腸狭窄による閉塞性イレウスを発症し,大腸ステントを用いて治療した症例について検討した.【方法】対象は2012年4月から2013年3月までにイレウス症状を有し,悪性大腸狭窄による閉塞性イレウスと診断された11例について大腸ステント留置の成功率,イレウス改善効果および合併症について検討した.イレウスを呈していない悪性大腸狭窄症例は除外した.【成績】平均年齢は73.6歳,男性7例,女性4例.原因疾患は大腸癌10例(直腸1例,S状結腸2例,下行結腸4例,横行結腸1例,上行結腸2例),膵癌1例(膵癌の直接浸潤および腹膜播種による狭窄)であった.大腸ステントは全例WallFlex colonic stent(22mm径,60mm,90mm長)を使用した.手技的成功率は81.8%(11例中9例)であった.上行結腸癌の2例で狭窄部の管腔が確認できず,guide wireを通過させることができなかったためステント留置を断念し,経鼻イレウス管で減圧を行った.大腸ステントを挿入した9例は全例で処置当日より排便・排ガスがあり,イレウスの改善を認めた.食事開始日の平均値は3.1日(1-10日).9例でステント留置後(3-184日)に大腸内視鏡を行い,うち8例で狭窄部口側の観察が可能であった.大腸ステント挿入後の早期合併症は血便3例,疼痛1例,遅発的合併症として膵癌の脾彎曲部への直接浸潤症例で3ヶ月後にステント先端の胃への穿破を認めた.穿破症例以外に大腸ステント挿入後閉塞症状を呈した症例は認めなかった.ステント留置後4例に外科的切除,2例に化学療法が行われた.平均在院期間は21.9日(7日-62日)であった.【結論】大腸ステントは悪性狭窄による閉塞性イレウスに対し,有効な治療法であると考えられた.
索引用語 閉塞性イレウス, 大腸ステント