セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント4

タイトル 内P-405:

当院における大腸ステント留置術の現状について

演者 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科)
共同演者 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 佐竹 悠良(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科)
抄録 【背景】悪性大腸狭窄に伴うイレウス症状の緩和(Palliation:以下PAL)や外科治療前処置(Bridge to Surgery:以下BTS)としての大腸ステント留置術が,2012年我が国でも保険収載されるに至り,症例の蓄積がなされている.【目的】一般急性期病院である当院における大腸ステント留置術の現状を評価し,その適応や治療上の問題点を明らかにする.【対象と方法】2012年4月~2013年3月の期間,悪性大腸狭窄病変に対し大腸ステント留置を考慮した9症例(PAL;4例,BTS;5例)を対象とした.平均年齢,性別,閉塞部位/原疾患,ステント留置成功率,留置前後の経口摂取状態,留置期間,偶発症の有無,転帰などを検討項目とした.なお,大腸狭窄・閉塞の評価については,大腸ステント手技安全研究会考案のCROSS(大腸閉塞スコア) による評価を行った.【結果】対象9例の平均年齢は69.1歳(44-91歳),男性5例/女性4例で,閉塞部位はS状結腸7例(S状結腸癌5例,上行結腸癌術後腹膜播種1例,胃癌癌性腹膜炎1例),下行結腸2例(下行結腸癌1例,胃癌癌性腹膜炎1例)であった.ステント留置は6/9例で成功し,留置断念3例はS状結腸閉塞症例であった.留置後ステント開存確認期間はPAL症例(死亡転帰症例)で35日~75日,BTS症例で4~19日であった.偶発症はStent in stentを行った1例で消化管穿孔(留置24日目)を来たしたが,他に重篤なものはなく,留置後のテネスムスを1例に認めたのみであった.CROSSによる平均scoreは,術前0.83→術後3.33と顕著に改善した.【結論】大腸ステント留置術はPAL,BTS何れの症例でも症状改善に有効であった.癌性腹膜炎症例では,留置断念例や効果不十分例,消化管穿孔例,他部位へのステント留置症例などを経験し,より慎重な対応が求められるものと考えられた.
索引用語 悪性大腸狭窄, 大腸ステント