セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント4

タイトル 内P-406:

当院における悪性腫瘍に対する大腸ステント留置を試みた24症例

演者 草野 昌樹(太田西ノ内病院・消化器科)
共同演者 今村 秀道(太田西ノ内病院・消化器科), 今泉 博道(太田西ノ内病院・消化器科), 間 浩正(太田西ノ内病院・消化器科), 橋本 腱明(太田西ノ内病院・消化器科), 鈴木 聡(太田西ノ内病院・消化器科), 太田 一寿(太田西ノ内病院・外科), 迎 慎二(太田西ノ内病院・消化器科)
抄録 【目的】近年,悪性大腸狭窄に対しthrough the scopeでself-expandable metallic stentの留置が可能となり,術前の状態改善に有用であるとの報告が報告される.当院にて悪性大腸狭窄にて大腸ステント留置を試みた術前症例につき検討を行った.【対象】2012年1月から2013年3月まで当院で悪性大腸狭窄と診断し,術前の状態改善に大腸ステント留置を試みた24症例.【成績・結果】年齢平均73.5歳(49~93歳)男女比は16:8.疾患名は全て大腸癌.発症契機はイレウスが19例,高度狭窄が5例.狭窄部位は,Ra4例Rs3例S/C10例D/C2例T/C3例A/C2例.留置成功率は87.5%(21/24症例)狭窄部位別成功率は直腸100%S/C90%D/C100%T/C66.7%A/C50%.狭窄長は平均4.4cm(1.9~10cm).Stentは6cm11本9cm5本12cm6本使用.(1例でStent2本使用あり)手技時間は平均36.1分(6~101分)留置時Stent最小径は平均8.0mm(3.8~12.4mm).留置翌日Stent最小径は平均14.8mm(9~19.8mm).食事摂取可能率は100%.偶発症は2例で8.3%.(S状結腸穿孔2例)【考察】ステント留置成功率は87.5%で偶発症は8.3%であり,報告されている穿孔率と遜色がなかった.ただ,穿孔29例中7例が死亡の転帰をとったとの厚生労働省の報告もあり穿孔には十分な注意が必要であり,本人・家族への十分なInformed consentも必要と考えられた.固定腸管に比べ,自由腸管(S状・横行結腸)はステント留置成功率が低く,また穿孔を起こした症例も2例ともS状結腸であったため,自由腸管にステントがかかる場合は,より慎重な手技が望まれると考えられた.大腸ステント留置が可能であった全症例で早期に腸閉塞の改善が認められた.大腸ステント留置術はきちんとした知識を持ち合わせれば,確実かつ比較的安全に施行可能な手技であると考えられた.【結語】悪性大腸狭窄に対しTTSでSEMS留置を試みた24症例を経験したので報告した.
索引用語 悪性大腸狭窄, 大腸ステント