セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント4

タイトル 内P-407:

当院での大腸悪性狭窄に対する大腸ステント留置の現況~右側結腸症例,化学療法導入症例を中心に~

演者 河合 大介(津山中央病院・消化器・内視鏡センター)
共同演者 竹本 浩二(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 藤木 茂篤(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 竹中 龍太(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 岡崎 倫子(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 濱田 健太(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 馬場 雄己(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 赤穂 宗一郎(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 平良 明彦(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 柘野 浩史(津山中央病院・消化器・内視鏡センター)
抄録 【目的】悪性腫瘍における大腸閉塞に対する自己拡張型金属ステント(Self Expandable Metallic Stent: SEMS)が保険適応となり,bridge-to-surgeryあるいは緩和目的に使用されている.特に経肛門イレウス管が留置できない右側結腸狭窄症例ではSEMS留置により得られる恩恵は大きい.さらに,留置後早期に化学療法が導入でき,長期生存が期待できる症例もある.今回当院での大腸悪性腫瘍狭窄に対するSEMS留置の現況につき考察する.【対象】2012年1月から2013年3月まで,当院にてSEMS留置を試みた14症例(男性7例,女性7例,平均年齢73歳)を対象に背景,病変部位,SEMS留置前後の治療につき検討した.【結果】SEMS留置症例の原疾患は大腸癌12例,転移性大腸腫瘍2例であった.右側結腸4例(29%)であった.SEMS留置の目的はbridge-to-surgery4例(術後化学療法併用),化学療法単独5例(SEMS留置後に導入4例,化学療法中にイレウスを発症しSEMS留置後に再開1例),緩和目的5例であった.SEMS留置成功率は86%(12/14例)であった.偶発症は糞便イレウス1例(処置後4日目),穿孔1例(処置後3日目)であった.SEMS留置後平均2.6日で食事開始可能となった.化学療法単独症例は,SEMS留置から平均8.6日で化学療法を開始できた.いずれも全身状態から耐術能がないと判断されたが,早期の化学療法導入により全身状態の改善を認めた.平均追跡期間4.1ヶ月であり,10例生存,3例原病死,1例他病死している.【考察】これまで右側結腸の悪性狭窄に対して緊急手術または経口イレウス管で対処していたが,SEMS留置により早期に経口摂取可能となる.また,SEMS留置は開腹手術より低侵襲であり,留置後早期に化学療法を導入でき,全身状態の改善を認める症例もある.今後長期予後も含めさらなる検討が必要である.
索引用語 大腸ステント, 化学療法