セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-ステント4

タイトル 内P-408:

内視鏡的大腸ステント留置術の有効性と安全性に関する検討

演者 水本 健(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科)
共同演者 桑井 寿雄(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山下 賢(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 保田 和毅(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 檜山 雄一(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 木村 治紀(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山口 敏紀(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山口 厚(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 河野 博孝(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 高野 弘嗣(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科)
抄録 【背景と目的】悪性腫瘍による大腸閉塞に対する自己拡張型金属ステント治療は,術前減圧 (Bridge to Surgery: BTS) および難治性患者への姑息的治療 (Palliative: PAL) について保険適応となり,2012年3月に国内発売が開始された新しい治療法である.今回我々は2011年11月より先行して内視鏡的大腸ステント留置術を施行する機会を得たので,その治療成績から有効性および安全性について報告する.【対象と方法】2011年11月から2013年3月まで当院にて内視鏡的大腸ステント留置術を施行した27病変26症例 (男性13例,女性13例,平均年齢68.7歳) を対象に,臨床的背景,治療成績および偶発症について検討した. 【結果】ステント留置目的はBTSが13例 (50%),PALが13例 (50%) であった.原因はBTSでは14病変13症例全例原発性大腸癌によるものであり,PALでは原発性大腸癌によるものを7例,外因性の腹膜播種や直接浸潤によるものを6例みとめた.閉塞部位はA 4例,T 3例,D 6例,S 12例,R 2例と左側結腸に多かった.閉塞距離は平均54mm (20-120) で,施術時間は平均39分 (20-132) であった.手技的成功率は100% (27/27) で,術後7日以内の早期偶発症は2例 (7%) に疼痛を認めたが投薬でコントロール可能であった.外科手術施行の時点 (BTS) およびステント留置後30日の時点 (PAL) での評価による臨床的成功率は85% (22/26) であり,晩期偶発症としては穿孔を4例 (15%) にみとめた.穿孔例は全例PAL目的であった.【まとめ】症例数は少ないが,内視鏡的大腸ステント留置術はBTS目的には非常に有効であり,安全に施行できた.一方,PAL目的で穿孔をきたした症例の特徴として,内径25mmステントの使用や,腫瘍により浸潤癒着が高度で腸管の可動性が失われている点などが挙げられた.しかしながらこの様に高度な浸潤をみとめる症例こそがステントを希望される場合も多く,症例ごとの慎重な適応検討が必要と考えられた.
索引用語 大腸ステント, 大腸癌