セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-ステント4
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タイトル |
内P-409:悪性大腸狭窄に対する大腸ステント留置術の経験
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演者 |
野村 亮介(新潟労災病院・消化器内科) |
共同演者 |
前川 智(新潟労災病院・消化器内科), 安 泰善(新潟労災病院・消化器内科), 村瀬 貴之(新潟労災病院・消化器内科), 麻植ホルム 正之(新潟労災病院・消化器内科), 笠井 英裕(新潟労災病院・内科) |
抄録 |
【目的】大腸悪性狭窄に対して大腸ステント留置が施行される症例が認められている.今回当院で施行した大腸ステント留置術4症例で,留置後の閉塞症状改善の有無,生存期間,食事再開時期に関して検討した.【対象】悪性大腸狭窄に対して姑息的留置3例,術前一次的適応目的の1例.【結果】1例目は60歳女性,S状結腸癌に対して術前一次的適応目的に大腸ステントを留置.翌日開存を確認したが,3日後に脱落のため抜去し外科手術の方針とした.2例目は82歳女性.上行結腸癌に対する手術を拒否され姑息的に留置し,翌日開存を確認した.留置3日目から食事摂取した.3例目は96歳女性.横行結腸癌に対して姑息的に留置し,留置3日目から食事摂取し退院.4例目は81歳男性,全盲,寝たきりの方.外科手術は希望されず,横行結腸癌に対して姑息的に留置.留置2日後から食事摂取開始した.生存期間は,1例目は3か月,2例目は生存(留置後12か月時点),3例目も生存(留置後8か月時点) ,4例目は10か月であった .姑息的留置例では留置後に症状の改善を認め,イレウス症状の出現を見る事無く経過した.【結語】悪性大腸狭窄は患者のQOLを大きく低下させる要因となる.従来は,緊急手術や経鼻,経肛門的イレウス管留置が行われていた.一方で大腸ステント留置術は穿孔のリスクは残るものの,比較的安全で簡便に留置することが可能と思われる.今回の4例中3例は緩和治療目的として挿入しており,いずれも再閉塞なく経過,4例ともに閉塞症状により十分な食事量の摂取は不可能な状態であったが,挿入後に閉塞症状は消失し脱落例を除き食事摂取可能となった.大腸ステント留置は低侵襲で早期の消化管狭窄解除が可能であり,人工肛門造設の回避といったQOLの改善に貢献するという利点が挙げられる.今後高齢化が進行していく中において,手術拒否症例や超高齢者の緩和治療における選択肢として有用と考えられる.一方で,術前一次的適応としての大腸ステント留置に関しては検討の余地があると思われた. |
索引用語 |
大腸癌, 大腸ステント |