セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-診断・治療1

タイトル 内P-417:

陥凹型病変に由来する大腸MP癌の臨床病理学的特徴

演者 及川 裕将(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 濱谷 茂治(昭和大横浜市北部病院・病理科), 一政 克朗(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 宮地 英行(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 森 悠一(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 三澤 将史(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 工藤 豊樹(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 児玉 健太(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 和田 祥城(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 林 武雅(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 若村 邦彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 日高 英二(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 大越 章吾(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 神山 勇太(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 石田 文生(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 田中 淳一(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 【目的】陥凹型病変に由来する大腸MP(固有筋層)癌の臨床病理学的特徴を明らかにする.
【方法】2001年4月から2009年4月に当施設で内視鏡的または外科的に切除した16200の病変について検討した.そのうち195病変がMP癌であった.その中に,リンパ節転移は50病変(25.6%),遠隔転移は2病変(1.0%)あった.病変は内視鏡所見に基づき以下の4つの肉眼形態に分類した:陥凹型(A)(周囲に正常粘膜を伴う),側方進展型(B),隆起型(C),潰瘍浸潤型(D).分類Aが陥凹型早期癌から発達したと推測することができる病変である.我々は,腫瘍の大きさ,リンパ管浸潤,静脈浸潤,リンパ節転移,遠隔転移の観点から,これらの病変を比較検討した.
【成績】195病変のうち,Aが74病変(38.0%),Bが26病変(13.3%),Cが24病変(12.3%),およびDが71病変(36.4%)となった.平均腫瘍サイズはAでは22.7±9.5mm,Bが51.2±22.6mm,Cは29.9±8.7mm,およびDが36.3±11.3mmであった.それぞれのうち,リンパ管浸潤,静脈浸潤,リンパ節転移と遠隔転移は,Aが50(67.6%),54(73.0%),18(24.3%),0(0%), Bで14(53.8%),12(46.2%),8(30.8%),0(0%),Cが14(58.3%),8(33.3%),6例(25.0%),0(0 %),Dでは35(49.3%),41(57.7%),16(22.5%),2(2.8%)となった.Aにおいて,リンパ節転移と静脈侵潤に有意差を認めた(それぞれP<0.01,P<0.05).他の分類では,有意な差は存在しなかった.
【結論】他の形態に比べ,陥凹型由来のMP癌はリンパ節転移と静脈浸潤を高率に認め,その悪性度が明らかとなる結果となった.
索引用語 MP癌, 陥凹型病変