セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-診断・治療1
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タイトル |
内P-420:大腸ポリープ切除適応の観点から検討した目盛り付き大腸内視鏡先端フードの有用性
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演者 |
渡邊 龍之(産業医大・3内科) |
共同演者 |
久米 恵一郎(産業医大・3内科), 荻野 学芳(産業医大・3内科), 草永 真志(産業医大・3内科), 芳川 一郎(産業医大病院・内視鏡部), 原田 大(産業医大・3内科) |
抄録 |
【背景】大きさ5mm以上の大腸腺腫性ポリープは,発癌性があるため内視鏡的切除の適応となる.5mmという境界の計測がポイントとなるが,現在唯一の計測手段であるメジャー鉗子は,取り回しの悪さや煩雑さのため,大腸ポリープの計測にはほとんど用いられていない.従って大きさの判断は,経験的な目測で行われているのが実情であり,過大,過小の診断を免れない.そこで我々は,内視鏡の先端フードの内側にミリ単位の目盛りをつけることで,フードの潜在的機能を活かしながら,ポリープの大きさを客観的に即断することも可能にする「目盛り付き内視鏡先端フード」を開発した(特願 2012-127530).今回,通常観察による目測値と本フード装着下での計測値を同一ポリープで比較し,その差異を検討することを目的とした.【方法】通常観察時に目測し得た未生検のポリープを有する症例のうち,切除適応のポリープを含み3ヶ月以内のポリープ切除施行時に本フード装着によるポリープ計測が可能であった15症例を対象とした.このうち本フードの測定限界である2-8 mmの腺腫性ポリープ32病変につき,事前の目測値と本フード装着下の測定値を比較検討した.【結果】平均目測値は6.8 mm,本フードによる平均計測値は5.5 mmであった.目測での過小評価は15.6%(5病変),過大評価は59.3%(19病変),目測値とフード計測値が一致したのは25%(8病変)であった.【考察】フード内側に配した目盛りとポリープの直径とは,円弦と弧の関係になるが,9 mmで0.5 mm程度の誤差を生ずるため,測定限界は8 mmとなる.ポリープ切除の適応を判断する5-6 mmの計測には,簡易で有用なデバイスと考えている.【結語】ポリープの大きさは目測では過大評価されることが多く,5 mm以上という内視鏡的切除の適応病変を的確に判断するために本フードは有用と思われた. |
索引用語 |
大腸内視鏡, フード |