セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-内視鏡診断

タイトル 内P-424:

大腸内視鏡検査におけるレーザー光源内視鏡システムの有用性

演者 辺見 英之(大阪回生病院・消化器内科/消化器センター)
共同演者 中村 恵理子(大阪回生病院・消化器内科/消化器センター), 谷村 博久(大阪回生病院・消化器内科/消化器センター), 町田 浩久(まちだ胃腸病院・内科)
抄録 【背景と目的】レーザー光源を用いた内視鏡システム(LESEREO)は波長の異なる「白色光レーザー」と「狭帯域光レーザー」を搭載している.その特徴は,白色画像(WL)では従来のキセノン光源に比べ,光強度と輝度が高い点で,また狭帯域画像(Blue Leaser Imaging: BLI)はNBIと異なりフィルタを通さないため,より明るい分光画像が得られる点である.さらにBLIに白色光成分を追加したBLI-Bright(BLI-brt)モードは中~遠景観察に有用とされている.今回,LESEREO 対応スコープEC-L590ZWを用い全大腸内視鏡検査(TCS)時の観察をWLとBLI-brtで行い,病変の発見率について比較検討したので報告する.【対象と方法】症例は10例(男:女6:4),年齢37-83歳(平均59.2歳).同一症例に対し1回目TCSはBLI-brtで,2回目TCSはWLで1人の内視鏡医が挿入/観察した.各モードで病変の発見率を比較した.内視鏡挿入については,その苦痛の多くはS状結腸の過伸展によるものと考えられるためS状結腸でループが形成されないように腸管の短縮を意識し,スコープが直線化された状態で脾彎曲部に到達する方法を行っている.sedationはミタゾラムと塩酸ぺチジンを使用している.左側結腸が直線化されことで,脾弯曲部以深はS状結腸の過伸展に注意しながらスコープを進めることで最小限の苦痛で盲腸まで到達でき,観察においてもスコープは操作が容易なため,病変の見落としが少なくなると考えている.【結果】盲腸到達率100%,平均挿入時間2.9分,全例で体位変換と用手圧迫は行わず,苦痛の訴えも無かった.発見した病変は9例(Is 5例, IIa 2例, LST-NG 1例, SMT 1例),病変径は平均7.7mm(3-25mm)であった.病変の認識では,両モードで可能:6例(66.7%,すべて5mm以上),BLI-brtで可能:2例(22.2%,すべて5mm未満),WLで可能:SMT1例(11.1%)であった.【結論】BLI-brtによる観察は小病変の発見に有効な傾向があり有用な観察方法の一つとなる可能性があると考えられた.挿入/観察の画像と多数例での検討を提示したい.
索引用語 BLI, 大腸内視鏡