セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-内視鏡診断

タイトル 内P-427:

早期大腸癌におけるNBI vs.クリスタルバイオレット拡大観察における深達度診断能の検討 ― 前向き入力データベースによる検討

演者 高丸 博之(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科)
共同演者 坂本 琢(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 春山 晋(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 眞一 まこも(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 佐藤 知子(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 谷内田 達夫(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 山田 真善(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 金城 譲(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 阿部 清一郎(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 大竹 陽介(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 中島 健(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 松田 尚久(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科)
抄録 【目的】早期大腸癌におけるNBIおよびpit pattern 拡大観察による深達度診断能について検討する.【方法】2011年10月~2012年12月に内視鏡治療または外科切除を行い,病理学的に深達度がM~SMと診断された大腸癌で,NBI拡大およびクリスタルバイオレット染色拡大観察を行った314病変を対象とし,前向き診断を入力したデータベースを用い,診断能を検討した.NBIは佐野分類を用い,Capillary Pattern Type II ~ Type IIIAのときに深達度がM-SM1,Capillary Pattern Type IIIBのときに深達度SM2以深であった場合を正診とした.Pit pattern診断では,non-invasive pattern ( pit IIIs, IVおよび領域性の無いVI ) のときに深達度がM-SM1,invasive pattern (領域性のある VI およびVN ) の時に深達度SM2以深であった場合を正診とした.各病変の拡大観察について複数医師による画像所見の見直しを行い,NBIおよびpit pattern診断がどの程度確定的に行えたかについて検討した.【成績】全病変において,NBI拡大による正診率は85.6%,pit拡大による正診率は87.2%であった.深達度別にみると,M-SM1病変においては,NBIの正診率は90.4%,pitの正診率は92.0%,SM2以深の病変ではNBIの正診率は78.6%,pitの正診率は80.2% であった.また,所見の見直しによる確信の程度は,NBI診断において平均75.8%,pit pattern 診断において平均84.1%であった.【結論】本検討では,通常,NBI拡大,クリスタルバイオレット拡大の順に観察したのち所見を入力しており,それぞれの所見にバイアスがある可能性があるが,NBI拡大,pit拡大観察はいずれも高い深達度診断能を有し,特にM-SM1早期大腸癌に対する深達度診断において,NBIおよびクリスタルバイオレット拡大観察の妥当性が再確認された.
索引用語 pit pattern診断, NBI拡大診断