セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-出血1

タイトル 内P-429:

大腸憩室出血に対する当院の工夫~臨床効果および医療費削減効果についての検討~

演者 半野 元(府中病院・消化器内科)
共同演者 平位 暢康(府中病院・消化器内科), 間島 行則(府中病院・消化器内科), 上田 栄寿(府中病院・消化器内科), 益岡 優(府中病院・消化器内科), 親泊 智英(府中病院・消化器内科), 中島 ひろみ(府中病院・消化器内科), 川村 実里(府中病院・消化器内科), 武田 修身(府中病院・消化器内科), 高柳 成徳(府中病院・消化器内科), 廣岡 知臣(府中病院・消化器内科), 土細工 利夫(府中病院・消化器内科), 廣岡 大司(府中病院・消化器内科)
抄録 【目的】近年大腸憩室出血に対する内視鏡止血の有用性が報告されているが,出血源同定率の低さや内視鏡止血後の再出血など課題も多い.また再出血を繰り返すことで,入院期間の延長や輸血・手術などによる医療費の増加も懸念される.そこで当院では,2012年3月より内視鏡挿入時の無送気注水法および観察時のCO2送気や,活動性出血に対する内視鏡的結紮術(以下EBL)の導入などの工夫を行っている.今回我々は当院の工夫による臨床効果および医療費削減効果を検討した.【方法】対象は2011年3月から2013年2月までに大腸憩室出血と診断され入院加療を行った70症例.2011年3月から2012年2月までの39症例を前期群とし,2012年3月から2013年2月までの31症例を後期群とした.前期群と後期群とで,1.内視鏡による出血源同定率,2.内視鏡止血後の再出血率,3.入院日数および医療費について比較・検討した.【成績】両群間での,造影CTの出血部位同定率,前処置方法,出血部位,内視鏡所見に差はなかった.内視鏡での出血源同定率は,前期群36.1%(13/36例),後期群54.8%(17/31例)で,有意差は認めなかったが後期群で高い傾向にあった(p=0.124).再出血率は前期群69.2%(9/13例;全例クリップ止血),後期群17.6%(3/17例;クリップ3/8例,EBL0/9例)で,後期群で有意に低かった(p<0.05).入院日数・医療費は前期群でそれぞれ中央値12日,中央値60万2028円,後期群で中央値8日,中央値52万510円と後期群で入院日数・医療費ともに有意に低値であった(p<0.05,p<0.05).【結論】当院の工夫によって,出血源同定率の向上や再出血率の低下,入院日数・医療費の低下が得られた.内視鏡止血によって再出血率を低下させることで,高い臨床効果を得る事ができ,医療費削減にも貢献しうると考えられた.
索引用語 大腸憩室出血, 内視鏡止血