セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-出血1

タイトル 内P-430:

Endoscopic band ligationにて止血術後に憩室の消失を確認したS状結腸憩室出血の2例

演者 樋口 裕介(福岡徳洲会病院・消化器内科)
共同演者 仲道 孝次(福岡徳洲会病院・消化器内科), 阿部 太郎(福岡徳洲会病院・消化器内科), 太田 励(福岡徳洲会病院・消化器内科), 薦田 みのり(福岡徳洲会病院・消化器内科), 福田 容久(福岡徳洲会病院・消化器内科), 山下 りさ子(福岡徳洲会病院・消化器内科), 篠崎 香苗(福岡徳洲会病院・消化器内科), 永田 克己(福岡徳洲会病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】大腸憩室出血の治療法としてクリップ法やEBL(Endoscopic bang ligation)が有用であると報告されている.EBLの方が再出血予防に優れているとされるが治療後の経過や偶発症は明らかではなく,本邦ではまだ普及しているとは言えない.今回我々はEBLにて止血術後に憩室の消失を確認したS状結腸憩室出血の2例を経験し,術後の経過を観察し得たので報告する.【症例1】69歳男性.高血圧症,脂質異常症にて当院循環器内科かかりつけ.2012年10月計6回の鮮血便あり,Hb 12.8g/dlと軽度の貧血の進行あり,同日当院入院とした.入院時BP 148/88mmHgで,腹部骨盤単純CTにてS状結腸に憩室を認めたが出血の同定は困難だった.入院後2日目にニフレック内服による前処置を行い,下部消化管内視鏡検査を施行した.S状結腸の憩室内より湧出性出血を認め,EBLを施行した.術後1カ月目に再検すると,S状結腸憩室の治療部位は潰瘍瘢痕化しており,憩室自体が消失していた.【症例2】83歳男性.S状結腸憩室出血にてクリップ法による治療歴あり.高血圧症,糖尿病にて近医かかりつけ.2013年2月血便あり,近医受診.下部消化管内視鏡検査を施行され凝血塊の貯留あり,当院紹介入院となった.入院時BP 184/91mmHg,Hb 11.8g/dlで,腹部骨盤単純CTでは憩室および出血の同定は困難であった.入院翌日にニフレック内服による前処置を行い,下部消化管内視鏡検査を施行した.S状結腸の憩室内より拍動性出血を認め,EBLを施行した.術後1カ月目に再検すると,S状結腸の治療部位は潰瘍瘢痕化しており,憩室自体が消失していた.【結語】S状結腸憩室出血に対して内視鏡的結紮術を施行したが,偶発症なく憩室の消失を確認することが出来た.大腸憩室出血に対して内視鏡的結紮術は有用であり,また術後の経過を含めた報告は貴重であり,若干の文献的考察を含めて報告する.
索引用語 大腸憩室出血, EBL