セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-出血2 |
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タイトル | 内P-432:大腸憩室出血に対するEBLの長期経過 |
演者 | 中野 薫(聖路加国際病院・消化器内科) |
共同演者 | 石井 直樹(聖路加国際病院・消化器内科), 島村 勇人(聖路加国際病院・消化器内科), 池谷 敬(聖路加国際病院・消化器内科), 高木 浩一(聖路加国際病院・消化器内科), 中村 健二(聖路加国際病院・消化器内科), 飯塚 雄介(聖路加国際病院・消化器内科), 福田 勝之(聖路加国際病院・消化器内科), 藤田 善幸(聖路加国際病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】大腸憩室出血の自然歴として,4年間で38% が再出血をきたす.大腸憩室出血に対してendoscopic band ligation(EBL)を施行した場合,翻転した憩室は瘢痕形成するので再出血はしない.EBL施行後の大腸憩室出血患者の経過観察を行いEBLの長期経過を調べた. 【方法】2009年6月から2012年10月までの間にEBLを初回治療として選択されたstigmata of recent hemorrhage(SRH)を有する68病変(61人)の大腸憩室出血症例のうち,初回EBL不成功であった4病変(3人)を除いた63病変(58人)が対象である.初回止血後30日以内の再出血を早期再出血,30日以降の再出血を晩期再出血と定義した.30日以降に予定あるいは緊急でcolonoscopy(CS)を行ったものをfollow-up CSとし,EBL施行後の憩室の瘢痕形成を確認した. 【結果】経過観察期間は1~42ヶ月(平均17.3ヶ月)であった.早期再出血は9病変(14%),晩期再出血は9病変(14%)であった.晩期再出血の時期は約半分の病変で1年以内であった.晩期再出血は6病変が自然止血し,3例はEBLにて止血した.EBLによる長期合併症は再出血以外にはなく,穿孔や膿瘍形成は生じなかった.25病変(40%)に対してfollow-up CSを行い,施行時期は2~12ヶ月であった.14病変(13人)で憩室の瘢痕形成を確認した.13人中4人が晩期再出血を生じた.4人中3人は初回の出血とは異なる憩室が出血源であった. 【結論】EBL施行後の再出血率は29%であり,晩期再出血は14%であった.晩期再出血は自然止血あるいはEBLで止血した.再出血以外の長期合併症は認めなかった. |
索引用語 | 大腸憩室出血, endoscopic band ligation |