セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-出血2 |
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タイトル | 内P-435:大腸憩室出血19例の臨床的検討 |
演者 | 鵜浦 友輔(気仙沼市立病院・消化器科・内科) |
共同演者 | 菅田 英明(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 鶴田 伸一(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 乗田 一明(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 涌井 祐太(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 小松 正歩(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 星 達也(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 笠沼 勇一(気仙沼市立病院・消化器科・内科), 安海 清(気仙沼市立病院・消化器科・内科) |
抄録 | 【目的】高齢化や食生活の欧米化に伴い,大腸憩室出血は増加傾向にある.保存的加療で軽快する場合が多いが,再出血や持続的な出血を呈する例もある.当院における大腸憩室出血の臨床的特徴と内視鏡治療の有効性について検討した.【方法】2009年9月~2012年8月の間に当院で加療した大腸憩室出血19例を対象に,年齢,性別,内服薬,出血部位,輸血歴,治療法,再出血の有無等を検討した.【成績】平均年齢70.0歳(50~86歳),男性9例,女性10例であった.薬剤内服歴は,抗血栓薬が5例,経口副腎皮質ステロイド剤が2例,非ステロイド性消炎鎮痛剤が4例,ビスホスホネート製剤が2例であった.部位は上行結腸8例,横行結腸2例,S状結腸5例,不明4例であった.輸血例は6例で,非輸血例は12例,輸血歴不明例が1例であった.初期治療としては自然止血17例,クリップ法2例であった.自然止血では17例中7例再出血し,クリップ法では2例中1例再出血した.自然止血群で再出血した症例7例中4例にクリップ法施行している.クリップ法が施行された6例の内訳は,活動性出血2例,露出血管1例,凝血塊の分布から出血部位が推定された3例であった.活動性出血を認める憩室にクリップ法を施行した2例中2例で再出血を認め,1例は異なる部位からの出血であり,もう1例は同部位からの再出血であったが,この再出血の原因としてクリップの脱落があり,憩室の縫縮が不十分であった.再度クリッピングし,その後は同部位からの出血は認めなかった.凝血塊の分布などから推定された出血源をクリッピングした3例では,2例で再出血を認め,クリッピング施行した部位付近からの出血が疑われた.【結論】当院では出血源の憩室を特定・推定できた例に対しては積極的にクリップ法が実施されていた.出血源の憩室を特定しえた症例では,クリップの脱落がなければ同部位からの再出血は認めなかった.出血源の特定がクリップ法の有効性には重要な要素であり,確実な止血方法の選択が必要となる. |
索引用語 | 大腸憩室出血, 止血処置 |