セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-出血2

タイトル 内P-436:

当院における結腸憩室出血症例の検討

演者 五十畑 則之(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科)
共同演者 遠藤 俊吾(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 根本 大樹(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 添田 暢俊(福島県立医大会津医療センター・外科), 歌野 健一(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 大谷 泰介(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 竹重 俊幸(福島県立医大会津医療センター・外科), 斎藤 拓朗(福島県立医大会津医療センター・外科), 冨樫 一智(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科)
抄録 【目的】結腸憩室出血はまれな疾患ではないが,時に大量出血や再出血を認め止血に難渋することがある.今回,当院における結腸憩室出血症例の臨床的特徴,止血法,止血成績などについて検討した.【対象】2009年3月から2013年3月までの4年間に,当院で下部消化管出血に対して大腸内視鏡検査を行い結腸憩室出血と診断された20例を対象とした.【結果】症例は男性16例,女性4例で,年齢中央値は75歳(50-86歳)であった.出血部位は盲腸1例,上行結腸5例,S状結腸14例でS状結腸が多かった.結腸憩室出血の既往は7例に認めた.基礎疾患は高血圧15例,虚血性心疾患4例,不整脈2例,脳梗塞2例,糖尿病4例,高脂血症4例で,抗血小板剤を7例,NSAIDsを3例で内服していた(1例は重複).なお,抗凝固薬の内服例はなかった.治療についてみると,内視鏡観察時に自然止血しており処置を必要としなかったものが10例,内視鏡的止血術を行ったものが8例,内視鏡的に止血が得られず外科的に結腸切除術を行ったものが2例であった.内視鏡的止血術では1回の処置で止血が得られたのが4例で,ほかの4例は複数回の止血処置を要した.内視鏡的止血処置は全例クリップで憩室を縫縮閉鎖したが,4例に留置スネアを追加した.輸血を必要とした症例は6例であった.全例軽快し,死亡例はなかった.手術を行った2例は,出血が持続したが内視鏡で出血部位を同定できず,止血処置が行えなかった症例であった.複数回の内視鏡治療を要した症例と手術を行った6例では2例が抗血小板薬,1例がNSAIDsを内服していた.【結語】当院の憩室出血はS状結腸に多く,基礎疾患を有する症例が多かった.90%(18/20例)は内視鏡的止血および保存的治療で止血が得られたが,10%(2/20例)は外科的治療が必要であった.
索引用語 結腸憩室, 憩室出血