セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-出血3

タイトル 内P-440:

急性直腸潰瘍の成因について(CTの動脈硬化領域からの考察)

演者 花井 彰(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科)
共同演者 菊地 悠輔(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 小島 啓夫(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 嶋田 仁(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 大島 隆一(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 堀越 邦康(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 牧角 良二(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 月川 賢(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 宮島 伸宜(聖マリアンナ医大東横病院・消化器病センター), 大坪 毅人(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科)
抄録 【目的】直腸潰瘍のうち急性出血性直腸潰瘍(AHRU)は動脈硬化の要因を背景に血流低下の準備状態にある高齢者が,何らかの理由で寝たきりとなり下部直腸の粘膜血流の減少を来たし惹起される急性の虚血性粘膜障害と考えられている.本疾患を含む直腸潰瘍症例をCTによる動脈硬化領域の評価から検証した.【方法】2005年8月から2013年2月までに当院にて経験した放射線性と感染性を除いた成人の直腸潰瘍症例は44例であり全例内視鏡により診断されていた.そのうち下腹部CTが施行されていた41例を対象とした.【成績】年齢は平均77歳(48~90)と高齢に多く,男女比は18:23であった.AHRUは糖尿病や高血圧といった血管疾患を有する者が多いが,当院でも糖尿病14例(34.1%),高血圧26例(63.4%)と高率で,脳梗塞,大動脈瘤,血管炎を伴うことも多い膠原病を含めた血管病変のありそうなものは実に37例(90.2%)と高率であった.病変が肛門管近傍の直腸にあることから,中直腸動脈領域の虚血が本態と推測しCTをチェックした.中直腸動脈の中枢側である内腸骨動脈の石灰化を片側でも認めた症例は38例,実に92.7%と多く,両側石灰化例34例に1例の両側血栓形成を含めた35例(85.4%)は内腸骨動脈領域の血流障害の存在が強く疑われた.48歳精神科通院歴,便秘のある症例以外はいわゆるAHRUがほとんどと思われた.【結論】中直腸動脈は下部直腸のうち前面と側面の筋層,一部は直腸下部粘膜に分布するとされており,中枢側である内腸骨動脈の動脈硬化があれば肛門管近傍の直腸は血流低下の準備状態にあると考えられる.そういう患者に全身状態悪化,寝たきりなどの更なる血流低下条件が加われば,この領域に虚血が起こり得る.出血の有無,程度は潰瘍の深さなど虚血の程度によると思われる.今回の結果から内腸骨動脈の動脈硬化所見はAHRUの診断の主要な項目にあげ得る可能性がある.
索引用語 直腸潰瘍, CT