セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例1

タイトル 内P-442:

ダンベル型S状結腸癌の一例

演者 山口 哲志(岡山市立市民病院・消化器センター)
共同演者 西村 守(岡山市立市民病院・消化器センター), 佐藤 雄紀(岡山市立市民病院・消化器センター), 大西 理乃(岡山市立市民病院・消化器センター), 浜原 潤(岡山市立市民病院・消化器センター), 小畑 さやか(岡山市立市民病院・消化器センター), 湧田 暁子(岡山市立市民病院・消化器センター), 狩山 和也(岡山市立市民病院・消化器センター), 難波 次郎(岡山市立市民病院・消化器センター), 小田 和歌子(岡山市立市民病院・病理部)
抄録 【症例】80歳,男性.【主訴】下血.【現病歴】最近,全身倦怠感,腹痛があった.入院前日より3回下血が続いているため,家人に説得され当院救急外来受診した.CTにて上行結腸に造影効果のある壁肥厚を認めたため精査加療目的に入院となった.入院後も潜血便は持続し,輸血を要した.腫瘍マーカーCEA 91.9と高値を示した.大腸ファイバーでは大腸内に大量の新鮮血や凝血塊で観察困難であったが,上行結腸に6cm大の隆起性腫瘍による狭窄を認め,同部より生検,病理結果はAdenocarcinoma であった.大腸ファイバー再検にて出血は止まっており,S状結腸にひだの集中を伴う固い陥凹性病変を認め同部位より生検したが,病理結果では悪性所見は認めなかった.しかし,臨床上は進行癌が疑われた.下血は持続し,腸管狭窄も認めたため外科紹介となった.術中,S状結腸の腸間膜内の結節を術中迅速病理に提出予定であったが,同部を観察すると腸間膜に癌臍ができており,S状結腸の腸管とも一塊になっており,結節だけの切除は不可能であった.同病変は上行結腸癌の腹膜播種の可能性も考えたが,腹腔内には播種を疑う病変を他には認めなかったため,S状結腸癌と考えられた.回盲部切除術+D3,S状結腸切除術+D2施行.病理結果はA.colon ca;SE N2(4個) P0H0M0 Stage3B,S.colon ca;SS N3(#253 1/1) P0H0M0 Stage3Bであった.術後化学療法としてUFT/UZELを開始し経過フォロー中である.【考察】本症例のS状結腸腫瘍は腸間膜内結節と連続性を保っており,ダンベル型腫瘍と考えられた.内視鏡で捉えることができなかったダンベル型腫瘍を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 ダンベル型腫瘍, 大腸癌