セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-症例1
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タイトル |
内P-445:当院で経験した大腸MALTリンパ腫の2例
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演者 |
伊東 陽一郎(唐津赤十字病院・内科) |
共同演者 |
嬉野 博志(唐津赤十字病院・内科), 鶴岡 ななえ(唐津赤十字病院・内科), 野田 隆博(唐津赤十字病院・内科) |
抄録 |
【症例1】78歳女性.【主訴】検診異常.【現病歴】2012/10,検診にて便潜血陽性を指摘され当院受診.【身体所見】特記所見なし.【血液検査】CEA・CA19-9・CA125・可溶性IL-2レセプター正常範囲内.抗H.pylori IgG抗体:陰性(除菌済).【下部消化管内視鏡検査】直腸Rbに立ち上がりなだらかな潰瘍やびらんを伴わない,2cm大の粘膜下腫瘍を認めた.EUSでは内部エコーは比較的均一な像を呈し,病変は粘膜下層迄に留まり筋層は保たれていた.【経過】病変部生検よりMALTリンパ腫の診断となった.CTで節外病変がないことを確認し,除菌を開始.治療開始1か月後に下部消化管内視鏡フォローしたところ,病変は著明な縮小を認め,現在まで病変増大なく経過している.【症例2】60歳男性.【主訴】なし.【現病歴】2006/12,胃癌に対し幽門側胃切除術施行.術後難治性腹水を来し加療されていた.2011/7,経過フォローのCT及びPETにて横行結腸に増大する腫瘤を指摘され,下部消化管検査を施行したところ,同部に3cm強の粘膜下腫瘍病変を認めた.生検では診断がつかず,2011/9外科的切除目的に入院となった.【身体所見】腹部膨満あり.【血液検査】CEA・CA19-9上昇なし.CA125:201.1U/ml.可溶性IL-2レセプター:927 U/ml.抗H.pylori IgG抗体:陰性(除菌済).【経過】同年9/13,横行結腸部分切除術施行.切除標本の病理結果よりMALTリンパ腫の診断となり,同年10月よりR-CHOP療法開始となった.現在8コース終了し再発なく経過している.【考察】MALTリンパ腫はリンパ節外の粘膜関連リンパ装置を母地として発生する低悪性度のB細胞性悪性リンパ腫である.大腸原発のMALTリンパ腫は比較的稀であり,その病態や治療方針に一定の見解は得られていない.今回我々は異なる治療方針をとった大腸MALTリンパ腫の2例を経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する. |
索引用語 |
MALTリンパ腫, 大腸原発 |