セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例2

タイトル 内P-448:

大腸腺腫にmyeloid sarcomaを合併した慢性骨髄単球性白血病の一例

演者 小畠 寛子(六甲アイランド甲南病院・内科)
共同演者 大森 靖弘(六甲アイランド甲南病院・内科), 荒井 隆志(六甲アイランド甲南病院・内科), 西岡 千晴(六甲アイランド甲南病院・内科), 山田 浩幸(六甲アイランド甲南病院・内科), 北垣 一成(六甲アイランド甲南病院・内科)
抄録 症例は87歳男性.2012年3月に骨髄異形成症候群(MDS)と診断され当科通院中であった.赤血球(Hb 7-8g/dl)・血小板(1-2万/μl)の2系統の低下であり,3月に輸血を行ったものの4月以降は輸血を行わずに経過観察となっていた.7月に血便あり,Hb5.2g/dlと貧血が進行したため当科入院となった.大腸内視鏡検査を施行したところ上行結腸とS状結腸に10mm大のIp(IIIL型pit pattern)を認め,ポリープ表面に血液が付着していた.他には明らかな出血源なく,入院後は血便を認めなかったため濃厚赤血球および血小板輸血を行い退院となったが,その後も貧血の進行が頻回に認めるようになり輸血量が増えた.大腸ポリープ表面からの持続的な出血が貧血進行に関与していると考えたため,9月に血小板輸血を行った上で内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理組織診断は低異型度管状腺腫であったが,間質に均一で充実性に増殖する小型異型細胞を認めた.免疫染色ではCD68(+),myeloperoxidase(+),CD34(-),CD117(-),上皮系およびT/B細胞のマーカー陰性であり,骨髄系腫瘍細胞の髄外病変(WHO分類のmyeloid sarcoma)と診断した.ポリープ切除後は貧血進行なく経過観察されていたが,2013年1月にWBC 26600/μlと急上昇したため白血化が疑われ,骨髄穿刺を施行し慢性骨髄単球性白血病(CMML)と診断された.myeloid sarcomaの多くは急性骨髄性白血病(AML)に合併しており,MDSに合併した場合はほとんどがAMLを発症すると報告されている.本症例ではmyeloid sarcomaと診断した4か月後にCMMLへと移行した.CMMLの大腸myeloid sarcomaは極めてまれであり,しかも大腸腺腫の間質に浸潤するという興味深い浸潤形式を示した.若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 CMML, myeloid sarcoma