セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例2

タイトル 内P-450:

トリソミー8を有する骨髄異形成症候群に腸管ベーチェット病様症状を伴った2例

演者 遠藤 文菜(市立札幌病院・消化器内科)
共同演者 小池 祐太(市立札幌病院・消化器内科), 藤田 與茂(市立札幌病院・消化器内科), 中村 路夫(市立札幌病院・消化器内科), 工藤 俊彦(市立札幌病院・消化器内科), 永坂 敦(市立札幌病院・消化器内科), 西川 秀司(市立札幌病院・消化器内科), 樋口 晶文(市立札幌病院・消化器内科), 神田 真聡(市立札幌病院・リウマチ・免疫内科), 近藤 真(市立札幌病院・リウマチ・免疫内科), 向井 正也(市立札幌病院・リウマチ・免疫内科)
抄録 トリソミー8を有する骨髄異形成症候群(MDS)にはベーチェット病様症状を伴うことが知られており,時に腸管病変を伴う.今回我々は,当院にて経験した2例を呈示し,若干の文献的考察を加え報告する.症例1は40歳代男性.平成6年より難治性腸管ベーチェット病として治療されていた.下部消化管内視鏡検査(CS)では,上行結腸から回盲部にかけて多発する深く下堀れした潰瘍を認め,再燃と緩解を繰り返していた.平成20年に小腸穿孔にて回盲部切除及び小腸人工肛門造設術が施行された.術後,貧血及び血小板減少が進行し,精査目的に骨髄検査を施行したところ,MDSと診断され,その際トリソミー8が確認された.症例2は60歳代男性.持続する発熱及び下痢を主訴に受診し,精査加療目的に入院となった.入院時血液検査にて大球性貧血認め精査目的に骨髄検査を施行したところ,トリソミー8を有するMDSと診断された.経過中に口腔内潰瘍及び陰部潰瘍が出現し,ベーチェット病様症状を呈した.CSでは全結腸にわたり散在するアフタが認められた.ステロイド投与により,症状,貧血,及び腸管病変は改善した.以上,今回経験した2症例での腸管病変及びベーチェット病様症状は,トリソミー8を有するMDSに随伴したものとして一元的に考えることが可能であった.ベーチェット病様症状を伴う腸管病変に対しては,トリソミー8を有するMDSの可能性を念頭に置き精査すべきと考えられた.
索引用語 トリソミー8, MDS