セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-症例2
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タイトル |
内P-453:健診の下部消化管内視鏡検査にて偶然に発見された早期虫垂癌の1切除例
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演者 |
西田 洋児(福井県立病院・外科) |
共同演者 |
平能 康充(福井県立病院・外科), 道傳 研司(福井県立病院・外科), 石橋 玲子(福井県立病院・外科), 松永 正(福井県立病院・外科), 石山 泰寛(福井県立病院・外科), 浅海 吉傑(福井県立病院・外科), 前田 一也(福井県立病院・外科), 宮永 太門(福井県立病院・外科), 服部 昌和(福井県立病院・外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院・外科) |
抄録 |
【はじめに】原発性虫垂癌は消化管悪性腫瘍の1%以下の極めて稀な疾患である.術前診断が難しいとされるが,今回我々は下部消化管内視鏡検査にて早期虫垂癌を疑い単孔式腹腔鏡下回盲部切除術を施行し良好な結果を得た症例を経験したので報告する.【症例】68歳,男性.健診の下部消化管内視鏡検査にて虫垂の蠕動に伴い腫瘍が虫垂開口部に偶然に一瞬露出した際に発見された.生検を施行したがTubular adenoma with moderate atypiaの結果であった.腹部造影CT検査では虫垂に病変は認めなかったが,注腸透視検査では虫垂は根部より造影されなかった.以上の所見より虫垂腺腫もしくは早期虫垂癌cM,cN0,cM0,c-stage0を疑い手術の方針とした.手術は全身麻酔下にD2郭清を伴う単孔式腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.手術時間は1時間30分,出血量は20ml.術後合併症なく術後12日目に退院となった.術後病理にて1.3×1.2 cm大の0-2a病変を虫垂根部に認め,組織学的にadenocarcinoma in adenomaで腫瘍は粘膜内に留まっていた.pM,pN0,pM0,p-stage0であり現在無再発生存中である.【考察】原発性虫垂癌は術前に下部消化管内視鏡検査が施行され盲腸内に腫瘍が露出することも珍しく,本症例では一瞬腫瘍を確認することができたことが診断・治療するに至った.【結語】健診の下部消化管内視鏡検査にて虫垂癌を疑い単孔式腹腔鏡下回盲部切除術を施行し良好な結果を得た1例を経験した.虫垂癌の術前診断は極めて困難であり,発見時進行している症例が多く,下部消化管内視鏡検査の際には虫垂開口部の注意深い観察が必要であると考えられた. |
索引用語 |
虫垂癌, 単孔式腹腔鏡下回盲部切除術 |