セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例3

タイトル 内P-454:

内視鏡的に切除しえた多発性横行結腸Inflammatory fibroid polyp(IFP)の一例

演者 杉浦 玄(玄クリニック)
共同演者
抄録 Inflammatory Fibroid Polyp(以下IFP)は,消化管に発生する原因不明の隆起性病変であり胃,小腸に多く大腸での発生は稀であり本邦で多発例の報告はない.今回,本邦初の結腸多発例を経験したので報告する.症例は,75歳男性.既往歴は狭心症,現病歴では便潜血反応陽性を主訴に平成23年7月上旬当院受診.注腸X線では結腸の多発性ポリープと回盲部に表面平滑な円形腫瘤陰影を認め,粘膜下腫瘍が疑われた.初回及び第2回大腸内視鏡検査にて下行結腸と横行結腸に複数個のポリープを認めた為,内視鏡的に切除したがすべて良性腺腫であった.第3回,大腸内視鏡検査にて横行結腸に黄白色調で表面に細血管増生を伴う約6mmないし7mm大のIs型ポリープを2個認めともに切除した.組織学的には両者共,粘膜下に限局性腺維組織と血管増生及び好酸球浸潤を認めた事から共にIFPと診断した.なお,回盲部の粘膜下腫瘍はEMRを施行し,結腸脂肪腫と診断した.免疫組織学的検討ではVimentin(+),α-SMA(-),CD10(-),CD34(-),CD31(-),Factor13a(-),desmin(-),とVimentinのみ強陽性であった.大腸IFPの本邦報告例は37例と少なく,しかもすべて単発例で本例は本邦初となる.結語,1)内視鏡下に切除しえた多発性横行結腸IFPの一例を経験した.2)免疫染色ではVimentinのみ強陽性であった.
索引用語 結腸 IFP, 免疫染色