セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例4

タイトル 内P-460:

当院におけるCronkhite-Canada症候群の3例

演者 賀集 剛賢(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科))
共同演者 道上 篤(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 西園 一郎(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 乙黒 雄平(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 鈴木 肇(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 寺門 洋平(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 菊池 仁(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 西岡 均(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 萩原 武(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 小澤 広(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 前田 聡(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 黒河 聖(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 今村 哲理(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科))
抄録 Cronkhite-Canada症候群(CCS)は消化管ポリポーシスに脱毛,皮膚色素沈着,爪甲異常など外胚葉系の病変を伴う非遺伝性の疾患である.ポリープは全消化管に発生するが好発部位は胃,大腸である.ポリープ自体は非腫瘍性で,大部分は1年以内に縮小し,1/3は消失する.今回我々は2006年4月から2013年2月までに当院でCCSと診断した3例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.【症例1】75歳,女性.腹痛を主訴に近医受診.急性胃炎の診断で加療されるも改善なく,下痢も出現し当院紹介.上・下部消化管内視鏡検査にて胃・大腸にびまん性に浮腫状隆起性病変が多発し,脱毛,舌萎縮,味覚障害,手指色素沈着,爪甲萎縮を認めた.CCSと診断し,プレドニゾロン(PSL)30mgを開始.臨床症状は改善し,内視鏡検査では隆起性病変の縮小がみられた.PSLを漸減,中止したが再燃なく現在に至っている.【症例2】70歳,男性.下痢,体重減少を主訴に近医受診.潰瘍性大腸炎疑いにて治療されるも改善なく,当院受診.内視鏡検査では胃・大腸にびまん性に浮腫状隆起性病変が多発し,脱毛,爪甲萎縮・白濁,指趾色素沈着を認めた.CCSと診断し,PSL 30mgを開始した.臨床症状は改善し,内視鏡検査では隆起性病変の縮小を認めた.PSLを漸減,中止したが現在まで再燃なく経過している.【症例3】65歳,男性.腹痛,下痢を主訴に近医受診.潰瘍性大腸炎疑いにて治療されるも改善せず,当院紹介.内視鏡検査にて胃粘膜襞の肥厚と浮腫を認め,大腸全体にポリポーシスを認めた.小腸造影では,小腸全体にポリポーシスを認めた.脱毛,爪甲脱落もみられており,CCSと診断.低アルブミン血症もみられ,蛋白漏出シンチグラフィにて蛋白漏出を認めた.PSL 30mgを開始し,漸減して7.5mgを継続している.臨床症状は改善し,血清アルブミン値も正常に復した.内視鏡検査では胃・大腸のポリープは縮小し,胃粘膜襞の肥厚も改善している.
索引用語 ポリポーシス, Cronkhite-Canada症候群