セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-症例4
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タイトル |
内P-461:collagenous colitisに対して入院治療を要した症例の検討
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演者 |
那須 眞示(大分三愛メディカルセンター・消化器内科) |
共同演者 |
伊藤 祐司(大分三愛メディカルセンター・消化器内科), 藤原 省三(大分三愛メディカルセンター・外科), 蒲池 綾子(アルメイダ病院・病理部) |
抄録 |
【目的】collagenous colitis (CC)は,慢性水様性下痢を主症状とし,薬剤に伴うことが多くまたは免疫的な異常による大腸の原因不明の慢性炎症性疾患と言われている.通常は被疑薬の中止や対症療法のみで症状が軽快・治癒に至ることが多いが,時に入院治療を要する重症例(治療群)が存在し,当院での自験例について検討した.【方法】当院で2009年8月から2013年2月までにCCと診断または強く疑われた患者は19例であった.このうち,被疑薬の中止もしくは止痢剤などの対症療法のみで改善(非治療群)に至らなかった症例が5例認められ,その臨床病理学的特徴について検討を行った.診断は,外来受診時に未処置のままS状結腸までの挿入で,可能な限り色素内視鏡観察と生検を2個以上施行し,アザン染色を併用してcollagen bandがφ10μm以上肥厚していることを確認した.【成績】対象はCCと確定診断された症例のうち入院治療を要したもので,男性2例,女性3例,平均年齢74(40‐89)歳であった.被疑薬はすべてPPI製剤で,LPZ4例,OPZ1例,併用薬に向精神病薬,NSAID,抗凝固剤が認められた.病脳期間は1から3か月,PPIの暴露期間は3か月から9年で,必ずしも非治療群よりも有意に長いわけではなかった.長期の下痢症状と食欲低下が伴うため,低K血症と低蛋白血症の傾向がみられた.特徴的な縦走潰瘍を伴った症例は1例のみであり,顆粒状粘膜や粘膜の浮腫程度の所見しか認めないものが多かった.一部にパネート細胞を認める症例があり,腸管の慢性の炎症性変化が明らかとなった.治療は,全例被疑薬中止後1週間程度は絶食下の点滴と止痢剤の投与に続いて,高齢者が多いため基本的には,SASPを先行投与して効果がない場合にやむなくPSL30mgを追加投与した.治療後は継続的に観察し,生検にて治癒を確認した.【結論】CCが疑われ,被疑薬の中止や対症療法で効果がない場合は,SASPまたはPSLの積極的な投与を考慮すべきであると思われた. |
索引用語 |
Collagenous colitis, SASP,PSL |