セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例4

タイトル 内P-463:

非典型的な内視鏡所見を呈し診断に苦慮した単純性潰瘍の1例

演者 豊水 道史(聖隷横浜病院・消化器内科)
共同演者 吹田 洋將(聖隷横浜病院・消化器内科), 安田 伊久磨(聖隷横浜病院・消化器内科), 足立 清太郎(聖隷横浜病院・消化器内科), 浅木 努史(聖隷横浜病院・消化器内科), 片倉 芳樹(聖隷横浜病院・消化器内科)
抄録 症例は61歳女性.他院にて非結核性抗酸菌症に対し抗結核薬投与中であった.非ステロイド系抗炎症鎮痛薬の投薬歴はなく,過去1年以内に海外渡航歴はない.2012年9月下旬より水様下痢が出現したため,前医で抗結核薬が中止され,整腸剤が処方されていたが改善なく,徐々に食欲不振と体重減少を呈してきたため11月に当院受診.上部消化管内視鏡検査や腹部造影CTで原因を特定できず,精査加療目的に入院となった.大腸内視鏡検査で,回盲部,横行結腸,S状結腸に多発性の不整形潰瘍を認めた.潰瘍部の病理学的所見では肉芽腫や陰窩膿瘍を指摘できず,非特異的炎症所見のみであった.またPAS染色では赤痢アメーバの栄養体を認めず,虫卵検査も陰性であった.便の細菌培養検査では有意菌の発育はなく抗酸菌も陰性であり,抗酸菌及びサイトメガロウイルスの潰瘍部組織PCR検査は,どちらも陰性であった.採血ではサイトメガロウイルス抗原,抗核抗体,ANCAは陰性であった.ベーチェット病の主症状を認めず,針反応及びHLA-B51検査も陰性であった.腹部CTAでは血管狭窄等の病的所見を認めなかった.入院後は絶食と高カロリー輸液にて経過をみていたが,腹部症状及び内視鏡所見に改善を認めなかった.単純性潰瘍と診断し,メサラジンの投与を開始したところ,腹部症状及び内視鏡所見の改善を認めた.単純性潰瘍は回盲部に好発する原因不明の難治性炎症性腸疾患であり,平田らの報告によると回盲部以外の大腸に潰瘍が多発する症例は単純性潰瘍全体で1.8%と非常に少ないとされる(Modern Physician.30:926-929,2010).今回,大腸内に多発する単純性潰瘍の1例を経験したため報告する.
索引用語 単純性潰瘍, 大腸潰瘍