セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-症例4

タイトル 内P-464:

消化管アミロイドーシスの3例

演者 野村 栄樹(山形大・消化器内科)
共同演者 佐々木 悠(山形大・消化器内科), 佐藤 剛司(山形大・消化器内科), 菅野 奈々(山形大・消化器内科), 八木 周(山形大・消化器内科), 水本 尚子(山形大・消化器内科), 矢尾板 孝夫(山形大・消化器内科), 吉澤 和哉(山形大・消化器内科), 岩野 大輔(山形大・消化器内科), 阿部 靖彦(山形大・消化器内科), 西瀬 祥一(山形大・消化器内科), 上野 義之(山形大・消化器内科)
抄録 消化管はアミロイド沈着の好発臓器である.当科で経験した消化管アミロイドーシス3例について報告する.【症例1】69歳男性.主訴:黒色便.既往歴:小児喘息.現病歴:2009年7月に血便あり近医受診.全大腸内視鏡検査(TCS)で回腸末端に多発潰瘍を認め当科紹介.10月のTCSで潰瘍の瘢痕化を確認したが,その後黒色便が出現し入院.経過:上部内視鏡検査(EGD)で胃体上部に鱗状粘膜からなる粘膜下腫瘍様隆起あり,同部から活動性出血を認めた.その後安定した状態で生検結果を待っていたが,突然死された.病理解剖で消化管を含めた多臓器にアミロイド沈着を認め,死因は原発性アミロイドーシスによる致死性不整脈と診断された.【症例2】36歳男性.主訴:下痢.既往歴:鼡径ヘルニア手術.現病歴:下痢を主訴に2010年1月当科受診.初回検査では明らかな粘膜異常所見を指摘し得なかったが,3カ月後のTCSで横行結腸,下行結腸に発赤・びらん,EGDで十二指腸に浮腫状粘膜を認めた.経過:胃,十二指腸,大腸からの生検でアミロイド沈着が疑われた.また腎生検で血管壁にλ鎖の沈着を認め,AL型アミロイドーシスと診断.骨髄穿刺で多発性骨髄腫が示唆され,化学療法を施行.しかし心アミロイドーシスを併発し,2011年5月永眠された.【症例3】72歳男性.主訴:下痢.既往歴:関節リウマチ.現病歴:遷延する下痢のため2013年1月当科受診.EGDで胃前庭部中心に斑状発赤,びらん,十二指腸に白色顆粒状変化を認めた.TCSでは横行結腸に粗造で凹凸不整粘膜,ダブルバルーン内視鏡検査では十二指腸~空腸に微細顆粒状粘膜,発赤,びらんを認め,易出血性であり粘膜の脆弱性が疑われた.経過:胃,十二指腸,空腸,大腸からの生検で粘膜固有層と粘膜下層血管壁にアミロイド沈着を認め,AA型アミロイドーシスと診断された.【結語】消化管アミロイドーシスの3例を経験した.アミロイド蛋白のタイプと沈着部位・沈着量の違いが内視鏡所見に反映すると考えられた.
索引用語 消化管アミロイドーシス, 内視鏡像