セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-挿入1

タイトル 内P-470:

大腸内視鏡検査の前処置の比較:錠剤型洗腸剤法とポリエチレングリコール法の受容性と洗浄効果

演者 小豆嶋 銘子(NTT東日本関東病院・消化器内科)
共同演者 大圃 研(NTT東日本関東病院・消化器内科), 浜中 潤(NTT東日本関東病院・消化器内科), 大野 亜希子(NTT東日本関東病院・消化器内科), 伊藤 高章(NTT東日本関東病院・消化器内科), 辻 陽介(NTT東日本関東病院・消化器内科), 松橋 信行(NTT東日本関東病院・消化器内科)
抄録 【目的】近年わが国の大腸癌患者は増加しており,大腸内視鏡検査の重要性は増している.しかし,検査時の前処置は身体的負担があり,負担の軽減は依然重要な課題である.我々は,錠剤型洗腸剤法とpolyethylene glycol法(PEG)の受容性と洗浄効果の検討を2012年JDDWで報告しており,今回症例数を追加して再度比較検討した.【方法】2011年5月より当院では,新組成錠剤型洗腸剤(NaP)のPEG法に対する腸管洗浄度・患者受容性前向き比較試験を行っている.対象は20歳以上75歳以下の大腸内視鏡検査を受ける患者である.除外基準は,1)薬剤添付文書禁忌事項該当者2)重度の便秘3)消化管手術歴既往4)妊婦,授乳期の女性及び妊娠可能性のある女性,またNaP群では65歳以上で高血圧治療を行っている者.2011年5月から2013年2月までに登録された399人をNaP群・PEG群に割付し,内視鏡施行医による腸管洗浄度評価・患者アンケートによる受容性評価を行い,中間解析を行った.【成績】総登録数は399名(NaP:193名 / PEG:206名)であり,両群の男女比・平均年齢・平均身長・平均体重に有意差は認めなかった.受容性はNaP:81.9%(158/193),PEG:78.6%(162/206)で有意差は認めなかった.NaP群で両製剤経験者に,次回希望製剤のアンケートを行ったところ1)NaP希望64名(47.4%)2)PEG希望29名(21.5%)3)どちらでもよい22名(16.3%)で,NaP希望率が高かった.腸管洗浄効果については,5段階評価の上位2段階を良好な洗浄とすると,洗浄良好率はNaP:88.1%(170/193),PEG:79.5%(163/205)でNaP群で有意に洗浄効果が高かった.部位別の検討では,直腸以外の全結腸でNaP群で有意に良好な洗浄効果が得られた.現時点で両群で重篤な有害事象は発生していない.【結論】NaPによる大腸内視鏡前処置は,PEGと比較して受容性が高く良好な腸管洗浄力がある.しかし,高血圧高齢者への使用は禁忌であることを十分留意しなければならない.
索引用語 大腸内視鏡前処置, 受容性