セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-挿入2

タイトル 内P-478:

大腸内視鏡挿入における無送気挿入法の検討

演者 小篠 洋之(大腸肛門病センターくるめ病院)
共同演者 荒木 靖三(大腸肛門病センターくるめ病院), 野明 俊裕(大腸肛門病センターくるめ病院), 岩本 一亜(大腸肛門病センターくるめ病院), 佐藤 郷子(大腸肛門病センターくるめ病院), 鍋山 健太郎(大腸肛門病センターくるめ病院), 新垣 淳也(大腸肛門病センターくるめ病院), 的野 敬子(大腸肛門病センターくるめ病院), 岩谷 泰江(大腸肛門病センターくるめ病院), 高野 正博(大腸肛門病センターくるめ病院), 白水 和雄(久留米大・外科)
抄録 【目的】全大腸内視鏡検査(以下,TCS)における挿入時の痛みや検査後の腹部膨満感は被験者にとって苦痛であり,検査に対する受容性や再診率を低下させる誘引になると思われる.そこで今回,被験者の苦痛軽減を目的にTCSにおいて盲腸到達まで極力送気を行わずに挿入する方法(『無送気挿入法』とする)を,従来のごとく送気をしながら挿入する方法(『従来法』とする)と比較し,その有用性について検討した.【方法】平成24年4月から12月までに当院で演者がTCSを行った連続する596例(男性294例,女性302例,年齢中央値63.0±9.0歳)を対象とした.被験者に検査終了後アンケートを行い,挿入時の痛みや検査終了後の腹部膨満感をFace Scale(以下FS)を用いて5段階で評価した.【成績】対象の内訳は従来法が455例,無送気挿入法141例であった.2群間の背景因子として年齢,身長,体重,BMI,開腹手術の有無などに有意差は認めなかったが,性別では従来法は男性に多く,無送気挿入法は女性に多い結果となった(p=0.0014).挿入時の痛みに関しては2群間に有意差を認めなかったが,検査終了後の腹部膨満感は従来法と比較し無送気挿入法が有意に低い結果(p=0.0002)となった.また両群とも深部挿入不能例は無かったが,挿入時間は従来法が平均6.2±4.9分であったのに対し,無送気挿入法は8.1±3.5分と有意に延長していた(p<0.0001).【結論】無送気挿入法は従来法より挿入時間がやや長く,TCSにおける挿入時痛を軽減させ得なかったが,検査終了後の苦痛を軽減させるのに有用な方法と思われる.
索引用語 大腸内視鏡検査, 無送気挿入法